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お父さん ページ26

こうして全てが落着し、私は真選組の元へ戻る。


そこで待っていたのは、かなり怒っている様子のトシだった。




「A、テメェ!! 何て無茶しやがってんだ!」




私を見つけた途端にそう言いながら近寄ってきて、久し振りに頭をバシンと思い切り叩かれた。




「いったぁ!!」


「お前馬鹿なのか!? 馬鹿だろ!! 死んでたらどうするつもりだった!!」


「……死んだらどうも出来なくない?」




思った事を正直に言えば、今度は頰を思い切り抓られる。


女子同士の可愛いじゃれ合いみたいな感じじゃなくて、マジのやつだ。


千切れるかと本気で思った。




「ま、まあまあ、トシ。結局無事だったんだし、勘弁してやれば……」


「近藤さんはAに甘ェんだ。コイツにゃいくら言ったって足りねェんだよ」




仲裁に来てくれた近藤さんに矛が向く。


この隙にと、私は総悟の所へ避難した。




「よう、化け物」


「誰が化け物だ黙れ問題児」


「星海坊主と旦那にも引けを取ってなかったぜィ」


「そりゃどーも」




そんな話をしながら、私はまたターミナルへと戻る。


そこにはえいりあんの死骸の山があった。




「おーおー、コレどーすんの」


「ターミナルもしばらく運休らしいですぜ」


幕府(うえ)に何言われるかわかったもんじゃねーよ。……ったく、あのジジイ」




トシが苦々しげにそう言う。


真選組に持ち込まれる苦情関係は、全てトシの管轄だ。




「それにしても、噂通りの化け物だったな」


「ん?」


「星海坊主だよ、星海坊主……。俺ァ正直、えいりあんなんぞよりあのオッさんの方がよっぽど恐ろしかったね」




煙草の煙を吐き出しながら言ったトシに、「そーか?」と近藤さんが返した。




「俺には奴が化け物になんて見えなかったけどな。娘を護ろうとじたばたする、ただの人の親に見えたよ。ガキに手を焼く、その辺にいるただの親に……」




私もその意見に賛成だ。




「私は欲しかったよ。あーいうお父さん」




新八にはああ言ったけれど、これが紛れもない私の本音らしい。




話し方も見た目も性格も何もかも違うのに、どこか重なるのだ。


もう戻れない記憶の中、優しく微笑むあの人に。

変人×2→←結局ハゲ



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ゆず(プロフ) - fubukiさん» ありがとうございます! これからもよろしくお願いします! (2021年2月22日 22時) (レス) id: d7263fa231 (このIDを非表示/違反報告)
fubuki(プロフ) - 題名が覚えている百人一首の句なのでとても嬉しくなりました!面白いです。 (2021年2月22日 21時) (レス) id: 8d00889b6b (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - グリみいさん» ありがとうございます!そう言っていただけて凄く嬉しいです。更新頑張りますので、これからもどうぞよろしくお願いします! (2019年9月4日 18時) (レス) id: e1a0e02e53 (このIDを非表示/違反報告)
グリみい - 感動して泣けました!!凄くこのシリーズが大好きです!!応援してます! (2019年9月3日 22時) (レス) id: 460e4835e5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆず | 作成日時:2019年8月18日 10時

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