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結局ハゲ ページ25

ドンドン溜まっていく光。


今にも発射されそうなそれから逃げろと言われても、どこへ行けば良いのやら。




落ちたらしい眼鏡を探す新八、冷や汗を垂らし真っ青な顔のバカ皇子とその側近。


上へ逃げようとする銀ちゃんに、「酢昆布返せェェ!!」と、止めようとする星海坊主を躱した神楽の蹴りが入った。




「神楽!?」


「しっかりしろ、オイダメだって、出血が!!」




どうやら意識が定まっていないらしい。


そんな状態で核を破り出てきたって事は、銀ちゃんの声が意識の底にまで届いたって事だ。




「あー、酢昆布だ」




神楽の強烈な蹴りで少し意識を失っている銀ちゃんを起こすべく頰をペチペチやっていると、神楽がヘルメットの取れた星海坊主の頭を見ながらそう呟いた。


嫌な予感がした途端、彼女は星海坊主の少ない髪の毛を半分ブチンと抜く。


しかもそれをもっさもっさと食べ始めた。




「ぎゃああああああ、何すんのォォォォ!! お父さんの大事な酢昆布がァァ!!」


「おいィィ、何食ってんだ! 出せェェ、ハゲるぞ! そんなもん食ったらハゲるぞ!」


「ハゲるかァ! お前、ホント後で殺すからな!」




驚き怒り悲しむ星海坊主と、覚醒した銀ちゃんが叫ぶ。


その大声に混じって、ゴゴゴゴという音が聞こえた。




「アレ? 何この音」


「あれ?」


「あれ?」




……状況判断の出来ていないうちに発射されたそれは、私達の居る所も含めたえいりあんに見事に命中した。




どう考えても死にます、今までありがとうございました。


そんな事を考えてから、あれ? と瞑っていた目を開く。


……生きてる。




神楽と私を少しでも護ろうとしてくれたらしく私達に覆いかぶさっている銀ちゃんの腕の隙間から恐る恐る覗くと、開いた番傘を手に全身が焦げている星海坊主が居た。




「う……星海坊主サン?」


「クク……俺も焼きがまわったようだ」


「いや、髪の毛焼きがまわってるけど」


「他人を護って、くたばるなんざ」




そう残して、グラッと倒れる星海坊主。




「坊主さん!」


「ハゲッ! おい、ハゲ!」


「ハッ……じゃない、坊主さん!!」


「ハゲェェ!! 右側だけハゲェェェェェ!!」

お父さん→←護れるようになったら



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ゆず(プロフ) - fubukiさん» ありがとうございます! これからもよろしくお願いします! (2021年2月22日 22時) (レス) id: d7263fa231 (このIDを非表示/違反報告)
fubuki(プロフ) - 題名が覚えている百人一首の句なのでとても嬉しくなりました!面白いです。 (2021年2月22日 21時) (レス) id: 8d00889b6b (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - グリみいさん» ありがとうございます!そう言っていただけて凄く嬉しいです。更新頑張りますので、これからもどうぞよろしくお願いします! (2019年9月4日 18時) (レス) id: e1a0e02e53 (このIDを非表示/違反報告)
グリみい - 感動して泣けました!!凄くこのシリーズが大好きです!!応援してます! (2019年9月3日 22時) (レス) id: 460e4835e5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆず | 作成日時:2019年8月18日 10時

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