寂しさに

変人×２ ページ27

ミーン ミーンと鳴く蝉の声が暑さを倍増させる森の中、真選組は何故か総出でかぶと狩りを決行していた。




いや、何故なのかは十分分かっているのだ。


なんでも、将軍のペットである瑠璃丸が行方不明になってしまったそうで。




かぶとを無事に探し出せなければ切腹だなんて、対テロ用特殊部隊が聞いて泣く。




「あっついよ〜」


「にゃあ」




肩の上で鳴く太陽も心なしかいつもより元気が無い。


私は太陽を抱きながら、目の前の近藤さんをジトーッとした目で見ていた。


……褌一丁で、身体中に蜂蜜を塗りたくっている近藤さんを。




「どうした、A。流石にこれはお前にはやらせられないぞ」


「いや、やりたいと思って見てたんじゃねェよ」




いくら蜂蜜好きって言ったって、あんなんでかぶと虫捕まえられるワケ無いだろうが。


呆れながら返していると、聞き覚えのある話し声が聞こえてきた。




私が予想した通りの３人組は、近藤さんの姿を見つけると、目が離せないかの様に、じっと目線を動かさずに通り過ぎていく。


完全に近藤さんが背後に来てから、やっと喋り出した。


うん、気持ちは分かる。




……ただここを通り過ぎても、すぐ近くでトシが……。




反応が気になってコッソリ付いていくと、案の定、丁度トシに遭遇しているところだった。


……マヨネーズを木に塗りたくっているトシに。


ここも先程と同じように、目を離さず無言で離れていった。




……うん。

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