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切「バクゴー、みんながみんなお前みてぇに強いわけじゃねぇんだ
特に郁みてぇな心に傷がある奴は」
勝「俺がわかってねぇみてぇに言うんじゃねぇよ
わかってねぇのはてめぇらだ」
切島の言葉は優しさだ。
きっとこれまでもたくさんの人間が郁に対してそう言ってきたのだろう。
“可哀想だね”
“彼には時間が必要なんだよ”
“だからそっとしておいてあげよう”
そうやって、遠巻きにしてきたのだ。彼のためだと言いながら。
だが、そんなのは慰め方がわからない自分に都合のいい理由をつけただけだ。
あそこまで他人を、ヒーローを拒むようになったのは全員の責任だ。
トラウマで動けない郁
優しさという名で助けることを諦めた者たち
その全てがこの結末を生んだのだ。
爆豪は切島の脇を抜け、交差点を渡った。
見えなくなった郁を探しながら、さっき見た場所まで急ぐ。
ちっ、と一つ舌打ちを溢すと、己の勘で進む。
その先にいる確証などないが、今は行くしかなかった。
切「待てってバクゴー！！」
勝「うっせー！邪魔すんなら帰れや！」
切「なんでそこまで郁に構うんだよ！
郁のためか？自分の好奇心か？」
勝「俺のために決まってんだろ
俺はさっさと郁に戻って今度こそ全力のあいつをぶっ殺すんだよ！！」
その言葉は嘘ではない。
あんな勝ち方では納得ができていないし、何より気に食わなかった。
だから今度こそ自分の力を認め、全力で勝とうとする郁に勝ってやりたいと思っている。
だが、爆豪自身が助けてやりたいと思った。
ヒーローを目指す者として
世間が目を背けてきた問題による被害者である郁を
たった1人で過去に縋る可哀想な郁を
救いたいと思ったのだ。
切「…わかった
お前ぇが悪い奴じゃねぇことは知ってるからな！
だが！ダメだと思ったら止める！
お前についてくぜバクゴー！」
勝「はっ、黙ってついてこいやクソが」
進んでいった先に見えたのは、大きな公園だ。
森を模したような木々が茂った奥に郁が見えた。
木の影が彼を覆い中へ入っていくのが見える。
バレないように一定の距離を保ちながら2人も森に入った。
『…出ておいで、大丈夫だから』
切「郁のやつ、ペットでも飼ってんのか？」
勝「黙って見てろや」
地面には葉や小枝が散らばっていて足音を抑えるのも一苦労だ。
何かを探すそぶりを見せ、歩く郁の後に続く。
『「いないな……』」
_____誰かさんたちが俺の後をつけてきたせいかな
ねぇ？2人とも
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ハデス - 普通に番外編として小説で世に出せるよねってくらいいい話でした。何度読んでも面白い。完結おめでとうございます (7月17日 12時) (
レス) id: b5ef1167b7 (このIDを非表示/違反報告)
ぬ - 一気読みさせて頂きました…こんなに泣ける小説初めて読んだ…これ無料でいいんですか…！？本当に素敵すぎる作品を生み出してくださってありがとうございます…！！！ (2023年3月30日 8時) (レス) @page19 id: 267167a797 (このIDを非表示/違反報告)
引きこもり隊 - 読んでてこんなに泣いたの初めてだ。もう、本にして売れると思います。素晴らしい作品を作ってくれてありがとうございます。 (2022年8月6日 16時) (レス) id: af8345609d (このIDを非表示/違反報告)
ニャノこ - とても感動しました。これまで色々な話を見てきましたがこれほど自分の中で共感できる話はありません。翼くんと郁くんがまたあえることを願っています。 (2022年7月27日 22時) (レス) @page19 id: 7687561dfd (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 物凄く感動しました。終わり方も物凄く綺麗で納得の行く感じで、占ツク中毒者ですがここまで素晴らしいと思った作品は初めてです。これを無料で読めるこの世界に感謝、っていうレベルです。笑 書いて、共有してくださり本当にありがとうございました！ (2022年5月1日 1時) (レス) @page19 id: b375adba0d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：すえさん
| 作成日時：2019年10月25日 7時
