私のこと好きですか?【名前変換オリジナル】

(8)貴方side. ページ8

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なんで貴方はそんなに優しい手をしているの？


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今まで出会って来た中で､皆…みーんな｡


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いやな手をしてた｡

強引にやるその手も､全部…全部大っ嫌いだったの｡


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だけど､

貴方の手は違うのね｡


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凄く暖かくて､心地いいの―…｡


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さっきまでのあの"柚樹くんへの怯え"は…


なくなっていた…｡


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A「……やだ…」


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嫌｡

どうして？どうしてこんな心揺らいじゃうの？

こんなの私じゃない､私じゃない…ｯ…


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A「違うの…こんなの…こんなの…ｯ…」


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"私じゃない"


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その一言が出てこない､


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A「こんなの……ｯ…､う…ｯ…ﾋｯｸ…ぁ…ｯ…」


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いつの間にか私は吃逆見たいな泣き声を出して…


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完璧に迷子になった｡


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ここはどこ？

私……誰なの…？


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その瞬間だった､

ふわｯ､と優しくて大きな手が頭に触れて…


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「どうしたの？」って優しく話し掛けてくれる男の人がいた｡


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柚樹「大丈夫だよ｡」


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そう､

きっとその人は柚樹くんと重ねてるんだろう｡


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もう､

私……本当やだ……人は信じちゃ駄目だってば…


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だけど､

この言葉は貴方の所為で消え去ることになる｡


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柚樹「もう本当の自分隠すの…やめれば？」


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…本当の自分…？

本当の自分ってどんな自分…？


高校生の私でもまだ上手く理解できなくて､困難｡


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判らない､

判らないの｡

でも―…でもね？


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A「わたし…本当は…ｯ…本当は……ｯ…!」


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今､

私の口から溢れ出しそう｡


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そう｡


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私は―…｡


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A「皆と……仲良くしたいの……ｯ…」


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そこまでいうと､

柚樹くんはニコッ､と優しく微笑んで


柚樹「よく言えました｡」


って言って､今度は背中をさすってくれる｡


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ねぇ､


私､気づいちゃったかもしれない｡


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今日あったばかりの貴方の手のぬくもりに､

貴方の優しさに､

貴方のその微笑みに…


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私､今日…恋しました｡


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