(21)眼鏡くんside. ページ21
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俺は､提出物を渡さないまま校舎を出てしまった…
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柚樹「……はぁ｡」
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保健の先生に提出するはずの､
"健康調査票"
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転校する前の日から渡されていたので、
今日渡せ､ということだろう｡
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めんどくさいけど戻るか｡
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俺は重い体をｸﾞｯ､とひねって学校へ再度向かう｡
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俺､赤点取って補習するみたいじゃねぇか…
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なんていうふざけた冗談は､
一人で「ふっ(笑)」って笑ってなかったことにした｡
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柚樹「…ふぅ､やっとついた…」
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ついた頃にはもう六時がすぎていた｡
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そしてもっと重くなった体を必死に動かす｡
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この時､重くなったのは…
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いくなっていう警告だったのだろうか？
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保健室に向かう､
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長い廊下を歩いていると保健室が見てきた｡
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ハッキリと保健室のドアが見えた､
そして気づいたことが一つ｡
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保健室のドアは微かに開いていたんだ｡
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そっと､覗いてみた｡
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そしたら…
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唇を重ねた葛城さんと男がいた｡
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それに､舌を激しく絡ませていて､
それを否定する葛城さんだっていない。
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あぁ､きっと彼氏なんだろうな｡
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この時はそう思っただけだった｡
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そんな二人を見ると、はいれないわけで…
これは明日渡すことにしよう､と思って俺がまた方向を戻す｡
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柚樹「俺…戻って来るの無駄だったな。」
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ははっ､て笑った｡
無駄な運動したな､とか｡
邪魔しちゃったな､とか｡
いい雰囲気だったな､とか｡
めんどくせえな､とか｡
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なんか胸が痛いな､とか｡
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そんなことを考えながら俺は空を見上げた｡
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綺麗な夕日はなくて､
雲がかかっていた｡
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柚樹「やべ…ｯ､雨降るか…」
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夕日見ればちょっとは楽になれるかな､なんて思ってたけど
雲のかかった空を見上げたら
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余計胸がｽﾞｷﾝ､と痛んだんだ｡
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なんだろ､これ｡
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初めてなんですけど､病気っすか？
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謎解きはディナーのあとで - 面白かったです。これからも頑張って下さい。応援していますので！ (2015年6月3日 23時) (
レス) id: 67cc3aa9ed (このIDを非表示/違反報告)
蘭マサ＠二年組(プロフ) - 初めまして！琳檎さんの作品、ほぼ全部見させてもらいました！ 琳檎さんの作品好きです！ だから、これからもいろんな作品書いて欲しいなと思います！ 頑張ってください、応援しています！(*^^*) (2014年8月22日 1時) (レス) id: 1f6f1d2870 (このIDを非表示/違反報告)
愛音 - 最高っ！林檎さんの作品大好きです！！ (2014年2月3日 20時) (レス) id: 31b814b2aa (このIDを非表示/違反報告)
angel∞smile(プロフ) - 最高でした♪ (2012年10月3日 18時) (レス) id: ed2e5a268b (このIDを非表示/違反報告)
黒太陽(プロフ) - うっうまい！ストーリーがヤバイ！キュッってなる感じがいいですね〜(((o(*ﾟ▽ﾟ*)o))) (2012年9月24日 23時) (レス) id: 78b72dd9b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：*琳檎*
| 作成日時：2012年6月11日 20時
