プロローグ ページ1
春のうららかな日差しを受け、
桜の蕾が、準備に入る。
寒さの和らいだ今日は、散歩には最適だ。
「今日は機嫌が良いね。暖かくなったから？」
ベビーカーの中の小さな主が、
くるりと大きな双眼を、こちらに向けた。
私を見て、嬉しそうにきゃあ、と笑った辺り、
返事はイエスで間違いなさそうだ。
「もうすぐ桜も咲くから、その時にまた来よう。
あ、そうそう。勇利が帰ってくるんだって。
とー君は、はじめましてだね。
仲良くしてあげてよ？」
ガラガラと音を立て、ベビーカーを押し、
公園に咲く花を指差しながら、
のんびりと散歩をする。
「ほら、タンポポだよ。綿毛のやつ。
こうやって飛ばすんだよ」
ふう……ふわり飛び立った綿毛は、
風を受けて、天に向けて舞う。
不思議に思ったのか、面白がってか、
精一杯に綿毛を掴もうとした紅葉のような小ぶりな手は
掴めずに空を切った。
でも、特に気にした様子はなく、
変わらずご機嫌だった。
公園を抜け出して、海岸通に出る。
穏やかな潮風が頬を撫でる。
「……この海の向こうから、救世主が来たらいいのに」
思わず漏れた言葉に、くくっ、と笑みを零した。
「なぁんてね！」
一瞬浮かんだ考えは、真っ向から否定して、
頭の隅に追いやる。
晴れやかな空は、背後で翳りを見せ始め、
べったりと絵具を塗りたくったような灰色の雲が、
私達の後を追っていた。
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うたプリ大好き?(プロフ) - 続き気になっています！更新停止状態のままですが更新はされるのでしょうか？ (2019年9月12日 21時) (
レス) id: 48370e286a (このIDを非表示/違反報告)
うたプリ大好き?(プロフ) - 続き気になってます！もう更新されないのでしょうか？ (2018年12月29日 21時) (レス) id: 6124a9987a (このIDを非表示/違反報告)
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