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色が白く、さっきよりも紅く染めた頬。
泳いだ瞳、安吾には揺れている様に見えた。
手袋は、とても柔らかいキャメルの羊革で、薄手だが、とても暖かい。
彼女が両手の平を広げると指先が余った。
やっぱり子供みたいで可愛くて、安吾は「ふっ」と吹き出してしまう。
「えぇ?」
思わぬタイミングに笑われ、彼女の眉は八の字を描く。
「私にはオシャレ過ぎます……」そうもごもごと何かを呟いてから、嬉しそうに「でも、ありがとうございます」と笑った。

「僕はこれから一件寄ります」
信号が赤になり、足を止める。
「仕事ですか?タフですね……」
仕事終わりに、重すぎる身体を引きずっていたはずの彼女。身体は凄く軽かった。
残してきた仕事も山のようにあるというのに、明日への希望が見えた。
ひとえに、安吾のお陰だろう。
安吾は、細くて長い指で丸い眼鏡を直し、ため息を付いた。
「仕事ではありませんが、寄るところがありまして」

「本当に忙しいですね」
「と……」
言いかけた安吾は「いえ」と、言い直した。
「呼ばれてしまいまして」
「そうですか」

少し間が空いて、彼女は付け足した。
「私はやっと寝れるので、めいいっぱい寝ます」
そう「うふふ」と微笑む。
暖色の背景に笑う彼女は、安吾には特別に映る。
「そうしてください」と安吾もまた優しく微笑んだ。
緩んだ自分の顔に気が付いた安吾。
映るのではなくて、「特別」なのだろうと。
異能特務課という特殊な環境を職場に持つ安吾。彼女の存在の楽さたるや無かった。
「楽」などというと語弊がありそうだが、心許せる存在には間違いなかった。

この距離は彼女なりの気遣いなのだろうと思ったら、申し訳なく思った。
それでも、安吾にとって楽な今のこの距離に甘んじている節もある。
彼女が踏み込まないのは、安吾が踏み込ませないから。
たくさんの客人を迎え、見てきた受付嬢の観察力とは、実に鋭いものなのだ。

「おやすみなさい。
安吾さん。
また」

大切なものは、傍に置かないと決めたのだ。

失う事の方がずっと怖い。
それでも、彼女は待ち続けるのだろうと。
それに安心している自分の、エゴだろうか。

「おやすみなさい」

安吾の「あの人」という存在が、
無言の言葉を

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ゆう(プロフ) - うわあああ!めっちゃ好きです!ありがとうございます!安吾の踏み込めない描写がすごい安吾らしいなって思いました! (2018年2月23日 20時) (レス) id: 900a78131d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2018年2月22日 17時

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