角砂糖に溶ける夢【北×樹】 (ページ38)

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けんかページ38

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帰りの車内はほっくんの勘違いのせいで
気まずい空気が流れていた

わたしが玲於さんに対して照れてると思ったって
それが嫌でちょっと怒ってるの
すぐ怒る、すぐ拗ねる、めんどくさいなぁ

違うよって言ってるのにな
理由話せないのも悪いんだけど…

だってほっくんのこと思い出したから、なんて
恥ずかしくてとてもじゃないけど言えないよ

北｢今日ご飯どうする｣

『え、作るけど…』

北｢これから作ったら大変だからいい。おれが買う｣

『そ…か。わかった』

北｢なにがいい｣

『うーん…サラダパスタとかかなぁ…』

北｢そんなんじゃ明日頑張れねぇじゃん。却下｣

もう…っ、心配するんだか怒るんだかどっちかにして！！

『ほっくん、めんどくさい！玲於さんのは違うよって言ってるのに！！』

北｢誰がめんどくさくさせてんだよ！｣

『その言い方…わたしなの！？勝手に怒ってるんでしょ、人のせいにしないで、！』

北｢～っ、もう！自分でもどうしようもなくて困ってんだよ！勘違いするようなことばっかすんな！｣

『勘違いするようなことばっかってなに！』

けんかしてたらマンションからいちばん近いコンビニに着いた

これ以上、今のほっくんといても
もっとけんかしちゃうだけ

すぐに車を降りて先帰る！と言い逃げして走った
ほっくんは追いかけようとしてくれたけど
自分が冷静じゃないのをわかって、止まったみたい

けんかなんかしたくないのに
やだやだ、ほっくんのばか

マンションまでの道をダッシュした
パンプスなことも忘れて、久しぶりのダッシュ

コンビニの袋を片手に持ったお兄さんの横を
ひゅん！って通り過ぎたら
Aさん？って、あの、低くて耳に残る声

思わず立ち止まって振り返ろうとしたら
うまく止まれなくて見事に足首が変な方向にグキ、って…

『いっ…たぁ～…っ』

樹｢何してんの…。大丈夫ですか？｣

『大丈夫、じゃない…。痛い…』

樹｢…吉野北人は？一緒に帰ってきたんじゃないんですか？｣

『…けんかした』

樹｢え、けんか？｣

『勘違いして勝手に怒ってるの！わたしのせいじゃない、』

樹｢別にAさんのこと責めてないから…。泣かないでくださいよ｣

ジンジン、と痛む足首と
ほっくんとけんかしたダメージが一気に襲ってきて
涙が滲んでくる

…いやだ、樹くんの前で泣きたくない
下唇を噛んで、堪えた

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