貴方には言わない (ページ2)

今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:80 hit

② ページ2

夢主side

朝から嫌な予感はしていた。

真逆、私が狙撃に失敗することがあるなんて。

失敗したことがなかった。狙撃だけは。

私の異能力は目だった。正確には、その目による命中力が。

半径50km以内のモノなら確実に、正確に撃ち抜く。

大して感情を宿さないこの目で。

ﾌﾟﾙﾌﾟﾙﾌﾟﾙ

『…はい』

「あ！ガガっち終わった？こっちはもう片付いたよ」

瀬戸 A、通称ガガ

gun girl からガガと取ったもの。

私の仲間の名前はもっとしっかりした由来があるけど。

私はそれ以外特徴も愛想もクソもないから、昔の育て親が嫌味で名付けた「ニックネーム」らしい。

『終わった。…けどね、別の組織かな。視線を感じる』

そう、先程から感じたことの無い視線を背中に感じた。

殺意がある感じではない。

でも2人？私相手に2人だけだなんて常識知らずか只者じゃ無いのどちらか…

「えぇ？支援…は要らないか、ガガっちなら秒で片付けちゃうでしょ？」

電話の相手はアシン。
人生の半分を一緒に過ごした相方みたいなもの。
私の一番の理解者､､､だと思う。

『んー、そうだね。アシンは先に戻っといて』

「うん。リーダーには言っとくから怪我なしで戻っておいでね、待ってるよガガ」

ﾂｰｯﾂｰｯ…

電話が切れると私は迷わず銃を取り出しすぐ様敵の頭を狙って撃った。

狙撃は少しの判断の遅れが運命を左右する。

でも、撃ったあとは必ず臭う、あの鉄臭がしなかった。

『外した､､､？』

そんなはずない。

私はプロ。狙撃の腕ならこの裏社会でダントツで1番。

その私が失敗したってこと？

有り得ない。

取り留めのない思考の中私の体は勝手に動いていた。

何やら2人の男が言い合ってるみたいだ。

『＿なんで避けれたかなぁ』

苛立ちを含んだ声色だったと思う。

『まぁ私、近距離は苦手だからね』

苦し紛れの言い訳だったと思う。

「いやぁ見事だった」

音の鳴らない拍手をしながら1人の男が物陰から出て来た。

包帯だらけの男。隣に居るのはオレンジ髪の帽子の男？

嗚呼、そういうこと…

『貴方達、双黒、なんだ』

「おぉ！ねぇ中也、僕達の事知ってるみたいだよ光栄だねぇ？」

包帯だらけの男がケラケラ笑う。

『私と闘うつもり？良いわよ。今迄手応えのない奴らばっかりで飽き飽きしてたから。かかって来なよ』