課題で映画を撮ることになった。【あんスタ】 (ページ1)

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001　序章ページ1

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　主演、瀬名。

　「分かる。せなっち映えるもんね」

　メインヒロイン、守沢。

　「いやヒロインじゃなくない？」

　サイコキラー、羽風。

　「何で？！」

　「丁寧なツッコミをありがとう」

　にこにこと笑う天祥院英智を前に、羽風薫は崩れ落ちた。

　「わーん何でこうなったのー？！」

　場所は3-A教室。黒板に書かれた配役を前に、強豪ユニットのメンバーたちが集まっていた。

　「このクラスで映える3人組は誰だ。そうだ、お前らだ」

　「守沢と一緒にしないでくれない？チョ～うざぁい」

　眼鏡をくいっと押し上げつつ決め顔で言う蓮巳敬人と、嫌そうな表情を浮かべる瀬名泉。

　「ヒロイン役おめでとう！ヒロインと言っても立場だけで実際に女性役な訳じゃあない、気楽に行くんだぞ千秋さん！」

　「ありがとう、三毛縞さん。しかしううむ、ヒロインというからにはリボンでもつけた方が良いのか……？」

　考え込む守沢千秋の背を快活に軽く叩く三毛縞斑。

　「マドモアゼルの扱いは慎重にしたいのだよ。演出によっては僕は出演を断るからね」

　しかめっ面の斎宮宗。
　それから、冒頭にてツッコミに追われていた羽風薫。計7人が、今この場に集合している。

　「今回の映画は、英智の発案で、某アクションゲームを元にして転校生と脚本を作っていく予定だ」

　敬人が言った。とりあえず全員彼の話に耳を傾ける。

　「閉ざされた空間の中、誰かが殺される。遺体が見つかったら学級裁判を開き、クロと判定された人を処刑する。最後に生き残った者が脱出。筋書としてはこうだ」

　「それだとすぐに全滅にならないか？」

　千秋が手を上げる。

　「その通りだ。だからこそ、脚本はよく煮詰める必要がある。必要以上に長くする必要はないが、無理のあるストーリー展開では面白くない」

　「とりあえず、超高校級の才能は持たせるべきなんじゃない？」

　瀬名が言った。

　「そのゲーム、登場人物はみんな、そういう才能を持っていたよねぇ？」

　「なるほど」

　敬人がメモに記録した。

　「最後に大きな敵と戦いたいな」

　英智が言った。敬人はまたペンを走らせる。

　「羽風は何か意見はないか」

　「俺？」

　急に振られた薫は、うーんと少し考えてから、こう口にした。

　「どうせ処刑シーン入れるでしょ？流血表現どうするの？」

　「それも案として控えておこう」

　こうして意見がちらほら出て、その日は解散となった。