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13小節目_B ページ4
なんで友達は死んで、僕は生きてるんだろう。
なんであの時華恋を引き止められなかったんだろう。
後悔は募る一方で、涙は毎晩止まらなかった。
『男の子のくせに』
ふと華恋の声が聞こえた。
…ような気がした。
いや、絶対に聞こえた。
そこにいると思った。
帰ってきてくれたんだと思った。
でも、そんなはずはなかった。
目の前にも、振り返っても、誰もいない。
『あたしが居ないからって寂しくて泣いちゃだめだからね、男の子なんだから』
華恋が東京へ行く前にも、こんなことを言ってたな。
『大人になっても一緒にいようね!』
『七草くん、遊びに行こ!』
『見て!綺麗な貝殻だよ!』
華恋はどんな時も元気だった。
僕みたいに泣いてるのは見たことない。
短い時間なのに、沢山の思い出がある。
全部全部、蘇ってくる。
思い出す華恋は笑顔ばかりだった。
華恋みたいに強くなりたい。そう思った。
「うん、もう、泣かないよ」
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作者名:かふぇもか | 作成日時:2020年12月21日 19時