君欲【YouTuber】 (ページ17)

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君は優しすぎるんだ【りくを】ページ17

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「あの、りくをくんですよね！」

彼女とデート中。

彼女が行きたいって言ったお店に入ると
声をかけられた。
振り返ると女子高生が2人。

「わっ、本物じゃん！」

り「あ、どうも」

彼女いるって言ってるんだから少し考えてよ…、
なんて優しいって言われる僕でも思ってしまった。

さっき彼女がいた右側を向いても誰もいなくて。

あぁ、察して離れたのかな。

「あんまりアバ見ないからりっくんじゃ
なかったらどうしようかと思った～！」

「私もあんまり見ないからなぁ」

いやいや、それ本人の前で言う？

「たまに見てくれてるって事だよね、
ありがとう…、それじゃ僕、彼女と来てるから。」

2人がえ、マジか…
みたいな雰囲気になってるのを横目に、
僕は彼女を探した。

「あ、りくをくん」

「ごめん、声掛けられちゃって」

「いいよ、さすがアバンティーズ様、人気だなぁ」

ニコニコと笑う彼女。

声掛けられたって嫉妬しないのはいつも通り。

なのに。

「ねぇ、Aはさ」

「うん？」

「嫉妬、したりしないの？」

彼女はワンテンポ置いて言った。

「最初の頃はしたよ。
でもね、動画のコメント欄見てたら慣れちゃった。」

なんだか少し、寂しさを感じる。

「…勝手かもしれないけど、ね？
僕嫉妬して欲しい。
もっとAがどう思ってるか知りたい。

だから、これからはわがままでいいから教えて。」

君は、優しすぎるよ。