まてないひとたち【えいじ】 ページ16
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かっこいい。
先輩は今日もかっこいい。
「朝会で表彰されてましたよね!
ほんとにかっこよくて朝から眼福でした!」
「はいはい」
あーほらもうそうやって
あしらう姿ですらかっこいい。
友達には確かにかっこいいけど、
あんな冷たい人、どこがいいの?って言われる。
でも、みんな知らないでしょ?
えいじ先輩、私がかっこいいって言う度にね。
「あ、ほら、また耳真っ赤っか!
かわいい〜!!」
耳を真っ赤にして照れるんです。
かわいいでしょ。
「うるせえな…」
かっこいいだけじゃないんです。
意外と話してくれるし。
優しい所もあるんです。
「もうぅ、えいじ先輩ってほんとに
顔いいしそれを褒めると耳を真っ赤にして
照れる所があってかわいいしなんていうか
神ですよね、ほんとにかっこいい!!
それから…」
「まてまてまて、」
「待てないです!!
えいじ先輩の魅力まだまだあるんですよ?」
もう、もっと語らせてよ。
私はぷぅ、と頬を膨らませて怒るふりをした。
「はぁ、ったくめんどくせーな…」
えいじ先輩は頭をかいた。
「…え」
ま、まって、まて、怒った?
え?まって怒ってる?
怒っててもかっこいいけど何に怒ってる?
え?え?
「ねえ」
えいじ先輩は私を壁に追い詰めて、
横に手を置いた。
「ふぇ、これって壁ドン…」
「いつになったらさあ、もっと深い感情を
出してくれるわけ?」
「えっ」
なにそれ、どーゆーこと?
私の頭はごちゃごちゃ。
「だから……こーゆーこと」
えいじ先輩は私にキスをした。
ファーストキス、ってやつ。
まって、それ。苦しいやつ。
「えい、じ先輩…、まって、ください…
くるし…っ、」
「待たない。お前はさっき待ってたけどさ
俺は待たない。待てない。」
ああもうほら、かっこいいなあ。
好き、だ。
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作成日時:2019年3月20日 22時