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自分勝手【しるくろーど】 ページ20



シルクもとい、絹張諒くんが本当に嫌いだ。

「なぁせんせーっ!!」

授業中なのに構わず大声で叫んでくるし

「先生!!!!」

授業中じゃないともっとうるさいし

「先生も行くよな?!
みんな!先生も行くってさ!」

自分勝手。

そんな騒がしい子がいなくなるって思うと寂しいな、
なんてしんみりしてた所なのに。

「先生」

シルクくんが私1人の教室に入ってきた。

初めて聞いた、静かな声で。

振り返ったら

初めて見た、真面目な顔で。

「シルクくん…卒業おめでとう。どうしたの?」

「…俺ずっと」

「ねぇ、待って!」

「なぁ、そこで止めるかよ!」

だって、だって。

この流れって。

「ねぇ、わかってないの?」

「何が?」

私が、君のこと

「嫌いってこと…」

「……自分勝手。言い聞かせてるだけなくせに。」

自分勝手はシルクくんでしょ。

ずるいよ。自分だけ。

「すき。」

「っ!」

「先生のこと、だいっすき。
一緒にいたい!ずっと!…嫌いなんて言わせない」

ほらね。

「…やっぱり自分勝手。」

「でもまた…流されてくれるんだろ?」

意地悪な顔で笑う。

「うん……悔しいけど」

自分勝手なあなたが好きみたい。

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作成日時:2019年3月20日 22時

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