毒リンゴと王子様と【出水公平】

3口目 ページ4

レポートも終わりに近づき、ふと目の前にいる太刀川さんに視線を移す




丁度終わったらしく、目が合った






「終わったぞ…」







その目は死んでいた







「そうですか、それは、よかった。


もう任務の時間ですよね」







外を見ると、日は暮れ


時計の針は7を指していた






「お、おー…本当だな。
…すまんが、A」








「大丈夫です。
レポートももう終わるので、隊室にでも置いておきますから」







そうか、すまん。




そう言い、荷物をまとめだした太刀川さん

私は再び視線をノートパソコンに移す
カタカタと単調な音が響く



部屋から出て行こうと腰を上げたその時

扉の開く音がした



それは、私や太刀川さんによるものではない





私と似た髪色の

真っ黒なコートを着た





「出水‼」




太刀川さんが声を上げた。




「太刀川さん‼探したんすよ⁉
他の隊員に聞いたらここに入ってったって…


、つーか


なんで、赤城といるんすか」






視線が刺さる。


彼からしたら
あまり、面白くない組み合わせなのだろう






「おー、レポートと報告書がなー…


すまん、A
この礼はいつかまた」






「大丈夫です。
お気になさらず」








外を覗くと月が出ていて





自然と、打ち込むスピードが緩んでいった

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