14話 チームV ページ15
『…失礼します。診察に…あれ、』
今日は一つ一つの部屋を回り、選手達の怪我やトレーニング内容の確認する予定だ。
ここの棟ではチームVが最後。しかし部屋に入ると誰もいないことに首を傾げた。
…いや1人いる。彼はスマホゲームをしながら椅子に寝そべっている。そして相手もこちらに気づいたようだ。
「あ、何とかドクターの人だ」
『スポーツドクター見習いです。…他の人達は?』
「皆トレーニング行ってる。俺は面倒くさいからサボりー」
『…凪くん、余計なお世話ですけど参加した方がいいんじゃないですか?』
長身で白髪の彼。
彼との接点は入寮試験時まで遡る___
_____
『…はい、圧迫してください。上を向かず10分間程押さえてくださいね』
入寮試験であったオニごっこ終了の際、私は各自の部屋に回り怪我人の処置をしていた。
チームVの部屋では2人。彼らは顔面にボールを受けて鼻血を出していた。痛そー…と他人事のように思っていたが当の本人達はあまり気にしていない様子。
「えー…10分も?めんどくさー、レオ押さえてー」
「分かったから喋んな凪」
『次はそちらの方ですね。触ってもいいですか?』
「ああ」
凪と呼ばれた選手の処置を終え、今度はもう1人の選手。スポーツ用のゴーグルを外してもらい軽く触れる。問診や状態を見る限り鼻の骨は折れてないみたい、良かった。
「にしてもお前ただのバカかと思ったらすげーの打つのな!」
「だから俺はバカじゃない。そもそもあれはお前らが煽ってきたのが…でっ!」
『はいはい、こっち向いて下さいね』
横を向く彼の顔を掴んでこちらを向かせる。鈍色の瞳が合う。…鼻血以外の外傷はなし、と。
『他に痛いところはありますか?』
「あ、いや、今のところはない…多分。いや大丈夫だ」
『ふふ、どっちですかそれ』
『何かあったらすぐ言ってくださいね』と先程と同じように10分ほど押さえるようにと伝えた。
「何デレてんだよ」
「デレてない」
「ねー、もういい?」
『まだダメです』
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苺子(プロフ) - ぺんぺんさん» コメントありがとうございます!読んで頂き嬉しい限りです(*´꒳`*)これからもよろしくお願いします! (2023年3月18日 23時) (レス) id: b537714951 (このIDを非表示/違反報告)
ぺんぺん(プロフ) - 最初からとっても面白いので、ついつい熱中して呼んでしまっています・・・。これからも頑張ってください!! (2023年3月17日 20時) (レス) @page28 id: 0923c869aa (このIDを非表示/違反報告)
苺子(プロフ) - ユイさん» コメントありがとうございます!今あなた様に出会えたことに感謝です((更新頑張ります!(*'▽'*) (2023年3月15日 22時) (レス) id: b537714951 (このIDを非表示/違反報告)
ユイ - 初コメ失礼します!もっと早く見つければ良かったです。好きです!応援してます (2023年3月14日 13時) (レス) id: 0e75ff5f17 (このIDを非表示/違反報告)
苺子(プロフ) - アレンさん» コメントありがとうございます!雪宮くんに振り回される夢主です((これからもよろしくお願いします…! (2023年2月4日 11時) (レス) id: b537714951 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:苺子 | 作成日時:2022年11月29日 16時