12話 困り事 ページ13
ポタポタと髪先から水が滴る。
いや、お風呂上がりとかではなく…だってここ食堂だし。
困ったなと思い、へばりついた髪を避けた。
「スポーツドクターだか何だか知らねーけど、免許も持ってない奴がここに居るって何なの？」
「それとも何？男漁り？うわーキモッ」
「誰もお前のこと狙ってねーって！」
『…』
ゲラゲラと笑う2人の選手。食堂で食事をしようとしていたらこのザマだ。まぁいきなり水をかけられた訳で…
『(…いや、あのさ)』
『(普通に怖いんだけど！無茶苦茶すまして「何も感じてませんけど」オーラだしてるけどすっごく怖いし傷ついてる！)』
潔くんとか蜂楽くんとかが優しいから色々勘違いしてたけど、そもそもここの施設自体に不満を持ってる人もいるわけだしさ。それに失格扱いになったら日本代表に入る権利を失うんだから。
瞬きをすると、まつ毛についた水のせいで視界が滲む。それを隠すように顔を下げて表情を悟られないようにする。
『(…あー…でもこういうメンタル面で支えられない私も悪いのかー…)』
「おい、」
パシャ。
水の跳ねる音。しかしまた私に水がかけられたものではない。からかってきた2人の内1人が水を被っていた。
『(え、)』
「冷たっ！何すんだ___」
「悪りぃ、手がすべった」
特徴的なモヒカン頭と、その後ろに立っている目元が前髪で隠れている青年。水をかけたのはモヒカン頭の方だ。
その2人の顔を見てゲッと顔を青ざめる。
「お、大川…」
「チームVに負けたからってそいつに当たるのはちげーだろ」
大川？聞いたことのある名前だ。そんな場違いなことを考えてると、スピーカーから焦ったような声で帝襟さんが放送をかける。
「そこ！何してるんですか！スポーツドクターへの暴行行為は、」
『あ、ああ大丈夫です！ほんとに、私の不注意なんで』
帝襟さんに説明をすると暫く黙ってから「…次暴行行為が見られたら即失格にします。他の選手も理解しておいて下さい」と言い放送を切った。
そしてすぐに大川さんが「失せろ」と言わんばかりに威圧すると2人は慌てて去っていった。
…何か、取り合えず落ち着いた？
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苺子(プロフ) - ぺんぺんさん» コメントありがとうございます！読んで頂き嬉しい限りです(*´꒳`*)これからもよろしくお願いします！ (2023年3月18日 23時) (
レス) id: b537714951 (このIDを非表示/違反報告)
ぺんぺん(プロフ) - 最初からとっても面白いので、ついつい熱中して呼んでしまっています･･･。これからも頑張ってください！！ (2023年3月17日 20時) (レス) @page28 id: 0923c869aa (このIDを非表示/違反報告)
苺子(プロフ) - ユイさん» コメントありがとうございます！今あなた様に出会えたことに感謝です((更新頑張ります！(*'▽'*) (2023年3月15日 22時) (レス) id: b537714951 (このIDを非表示/違反報告)
ユイ - 初コメ失礼します!もっと早く見つければ良かったです。好きです!応援してます (2023年3月14日 13時) (レス) id: 0e75ff5f17 (このIDを非表示/違反報告)
苺子(プロフ) - アレンさん» コメントありがとうございます！雪宮くんに振り回される夢主です((これからもよろしくお願いします…！ (2023年2月4日 11時) (レス) id: b537714951 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：苺子 | 作成日時：2022年11月29日 16時
