【本編小説】この夏は君と。 (ページ33)

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◇シリアスクラッシャー［紅邑色羽］ページ33

えー、先程大分アクロバティックな動きで登場した女の子＿＿三葉梢ちゃん＿＿を交え五人で喋ること数分。
沙耶香ちゃんと水月君の方はすぐに打ち解けていたけど、僕の方はあまり話せずに居た。
でも二人が時々僕やもう一人の女の子＿＿雪ちゃんにも話を振ってくれるから、割と楽しく喋れている。

そんなとき、僕らの会話に紛れてしゃりしゃりと砂を踏む音が聞こえてきた。

「あっ、また来た！」
「こんにちはー！！」

沙耶香ちゃんと梢ちゃんの二人が、いち早くその音を立てながら此方にやってくる人に向かって、僕らの時と同じように、大きくてを振りながら声をかける。
それに気づいて、その子は僕らを待たせまいと駆け足で此方に寄ってくる。

「こんにちはっ。百々はー、桜庭百々って言いますー！よろしくお願いしますね？」

百々ちゃんは桃色のツインテールが似合う可愛い女の子で、きっと学校でも人気者なんだろうなと思う。

彼女に倣って、僕らも今までと同じように順番に自己紹介をする。
まぁ、三回目ともなれば少しは慣れるものだ。
少なくともさっきよりはちょっとだけスムーズになったかな……？

「……も、百々、ちゃん……！久しぶり、だね」

「……雪？」

どうやら二人は知り合いらしい。
なんとなく雰囲気が感動の再開とかそういうやつだったのですっと一歩引いておいた。
隣の水月くんも同じ心境らしく少し引いている。

が、その雰囲気に臆せず突っ込んでいく方が約二名。

「ねぇねぇ、二人って＿＿むぐっ！？」

何か良いかけた沙耶香ちゃんと梢ちゃんを水月君と共に後ろへ引っ張る。
その勇敢さは賞賛できる、できるけどやってはいけないんだ。

口をふさいであるので何を言っているかは分からないが、沙耶香ちゃんと梢ちゃんが何かもごもご口を動かしいている。
ごめん二人とも、ちょっとだけ我慢してね……！！