混血皇女【オリジナル】 (ページ3)

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狭き籠の少女 2 ページ3

ある日のこと。
少女は一人、部屋で読書に耽っていた。

その途中でノック音が聞こえたため、扉を開ける。

「何方でしょうか…ｯ!?うぐっ…！」

口元に手を当てられ、モゴモゴとしか話せないし、大きな声も出せない。

大きな掌、人間の手に化けて手首周りから薄ら見える鱗の模様。

(これは龍！でも、変身が下手……。
龍としては程度が下…のはずなのに、自由が効かないっ……！)
(誰かっ……助けて……！)

「親方～孫、連れてきやした～」
(孫…？)
「でかした。」

確かに少女の父は龍…
声からして男。つまり祖父なのだろう。と少女は判断した。

先代の皇帝の政治下で少女は皇太子の娘扱いに加えて、先代はかなり差別的な政治政策等を行っていた……。
だから、禁忌とされていた混血児である少女が、自らの祖父に会う事は今までに１度も無かった。

「これがアイツの娘か…クックックッ……」

少女と祖父の初対面は最悪な出来事となった。
正直な所、今まで自分を放ったらかしにしてたくせに……とも思っていた。

「孫よ、お前は体が成長することはない。お前が朽ちるまでな…」

「…え！？待って、貴方が私に」

言いたいことは最後まで言わせては貰えなかった。今度は縄で口を覆われ、馬車に乗せられる。
祖父らしき人物も、馬車に乗る。

「やれやれ…教育がなってないのぉ…まぁ、コイツの父親も相当なアホだったが…」

はぁ…とため息をついて、また続ける。

「狐なんかと子供が出来て…おまけにこんな育ちが悪いとは…情けない。」

羽菜はさっきから言われっぱなしで流石に腹が立ってきた。口で反論したいが縄が口に食い込んで話せない。

代わりに睨みつけた。

「コイツ…フン、やっぱり教育が行き届いてない。行き届いてない振る舞いをするのはその証拠。」

それから何日かが過ぎた。