運命なんて信じない８ (ページ24)

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俺は買ってきたプリンを出してみた。

『舞香はどっちがいい？』

「えー。どっちも好きなのよねー。んー、どっちもかな(笑)」

さっきのマイカちゃんと同じだ。
思わず笑ってしまう。

『名前が同じだと、選ぶのも同じなんだね(笑)』

「名前が同じ？」

『そう。下のコンビニでさ、マイカちゃんに会って。』

さっきの話を舞香にすると

「可愛いね、マイカちゃん。マイカちゃんのおかげで２つのプリンね。どっちも食べたいから、蓮くん半分こしよ？」

『…舞香さ、本当に無自覚で可愛いの止めてくれる？俺、心臓持たないから。』

「大丈夫よ。ここ、循環器センターだし。私はセンター長よ？」

『ふはっ(笑)確かにそうだった。でもさ、本当に舞香の無自覚な可愛さはだめ。俺、毎日大変なんだよな。』

「もうやめてってば。恥ずかしいよ。誰か聞いてたら。」

『誰も聞いてないし、聞かれても恥ずかしくないよ、俺は。だってほんとのことだからね。』

外から咳払いが聞こえた。

師長「聞こえていますよ(笑)」

「あら、師長。やだーもう。」

師「初めまして、師長の藤岡と申します。」

『初めまして。いつも妻がお世話になっております。
』

師「キャラじゃなく本当なんですね。」

「師長、キャラって？」

師「俳優、目黒蓮の超愛妻家ぶりてすよ。」

『キャラじゃありませんよ。本当のことですから。』

「そんなに有名なの？」

師「そうですよー。クールな目黒蓮が奥さまの話になると、デレデレがすごいって。グループの方は呆れてるとか(笑)」

「やだ。蓮くん恥ずかしい…」

師「やだ、目黒先生。蓮くんって。可愛い。」

「あっ！あの、これは…」

『ですよね！そうなんですよ。舞香はね、本当に可愛いんです。俺の自慢の舞香ですから。』

「もう止めてよー。師長も止めてください。」

師「あら、いいじゃないですか。いつもきっちり完璧な目黒先生よりも、ふわふわして可愛らしくて。私は好きですよ。そんな目黒先生も。」

『へー。職場の舞香ってそうなんだ。』

師「はい。優しい笑顔で患者さんに接してますけど、オペも診察も隙がなくて。完璧主義ですからね。」

「違いますよ。私、こう見えても抜けてるんで、気をつけてるだけなんです。」

『あー、確かに舞香はしっかりしてて抜けてるもんな。』

師「あら、意外ですわね。」

師長さんはとても気さくで楽しい方だ。
こんな方と仕事してたら舞香も幸せだね。
少し不安が減ったよ。