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○3 ページ23

(maika side)

オペの後に緊張が解け
私は意識を手放してしまった。
不甲斐ない、医師として。


少し前からの腰の痛み
食欲不振、腹部の膨満感。
何となく嫌な予感がしていた。


倒れた私を診察したのは神林医師。
神林君は、そう。しゅー先輩の甥。
まさかとは思ったけれど、やっぱり似ていた。


彼は東都医科大学を卒業し
そのままこの循環器センターに勤務していた。
私が赴任した際には秘書的な業務もこなしてくれ
若いのに信頼のおける医師だ。


私は神林君に
もし私が体調不良になった際には
すい臓癌を疑ってほしいことを依頼していた。


そして、家族には私からの依頼であることを黙っていてほしいこと。
家族より先に告知してほしいことを伝えた。
多分、発見された時には
もうステージ4あたりだろうと思っていたから。


神林君は、そんな私のわがままを聞いてくれ
自分の判断で明日の検査を行うことを
家族に伝えてくれた。


蓮くんも凜も、神林君からすい臓癌の可能性を伝えられていた。
何も話さなくても二人を見れば分かった。
泣きそうな凜。うまく嘘を付けない蓮くん。
まったく、我が家の男性は(笑)


結果は癌である可能性が高いけど
私は現実を受け止めて
最期まで悔いのないように生きたい。


人よりも少し早い最期かもしれないから。








(mm side)

病院内のコンビニ。
舞香のリクエストのデザートに
何がいいのか迷っていた。


まだ、小学低学年くらいの女の子が
プリンを見つめて迷ってる。
いきなり振り向いて、俺に言った。

子「ねえ、おじさんはどっちが好き?普通のプリンとチョコプリン。」

びっくりしたけど

『おじさんは、普通のプリンかな?』

子「そっかぁ。マイカはね、どっちも好き!」

え?マイカ?

『マイカちゃんって言うんだ。』

子「うん、マイカ。じゃあ、マイカどっちも食べるんだー。」

そう言ってマイカちゃんは2つのプリンを持って
お母さんの所へ走って行った。

マ「おじさんも、どっちも食べてねー!」


マイカちゃんか…。
だめだ。これだけで涙腺が緩くなる。


俺はマイカちゃんのアドバイスどおり
2つのプリンを買って舞香の元へ行った。

『ただいまー。』

あ、さっきの神林医師だ。

神「では、目黒先生。明日はよろしくお願いします。ては、失礼します。」

神林医師が部屋を出た。

『どうしたの?』

「明日のMRIでの造影剤の承諾書よ。」

『あ、なるほどね。』

俺は承諾書よりも彼の表情が気になった。

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作者名:ちょ | 作成日時:2021年11月20日 18時

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