妹、謁見する4 ページ4
かくして、あっという間に当日を迎えたAはいつものように起床し、例のごとく兄を起こしに行こうとドアに手をかけた瞬間、ノックの音が聞こえて来た。
「あれ、Aちゃんもう起きてたんか。早いなぁ。」
『鬱兄…？めずらしいね、おはよう。』
「うん、おはよう。今日もかわええな。」
『ふふ、ありがとう。何か用があってきたんでしょう？』
「ああ、せやった。」
Aの声で流れるような動きで頭を撫でていた手を止め、鬱が体を横にずらすと後ろに数名の使用人として仕えているメイドの姿、城の清掃や食事の準備をしてくれている筈の彼女たちとはあまり会う機会がなかったため、簡単に会釈をするとメイドたちの顔がいくらか輝きを見せた気がした。
「Aちゃんの今日着るドレスとか髪のドレスアップ、この子たちに任せてあるから朝食の後に行っておいで？と思ってな？」
「お手を煩わせるわけにもまいりませんので、勝手ながら朝食もこちらでご用意させていただきました。鬱様とお召し上がりになりますか？」
『えっむしろありがとうございます…。鬱兄もここで食べる？』
「せやな、そうしようかな。」
「では、只今ご用意いたしますね。」
失礼いたします。とワゴンを押したメイドがメインテーブルの上に朝食の用意を並べている。部屋でも食べやすいようにサンドイッチを用意していたようでテキパキを用意されるそれに感謝をしながら席に着きその一つを手に取りほおばった。
『美味しい…！』
「お口に合ったようで何よりです。お飲み物何をご用意いたしましょうか？」
『えっと、じゃあ紅茶を…。』
「鬱様はいかが致しますか？」
「僕も甘めの紅茶がええなぁ。」
「承知いたしました。」
ティーポットにお湯が注がれて茶葉のいい香りが部屋の中に漂う。ほっと心を落ち着かせたように息を吐くとその様子を見ていた鬱がふんわり笑っていた。
「こうしてゆっくりする暇も無かったから……なんか新鮮。」
『たしかにそうだね。お仕事慣れるのとかに必死だったから、鬱兄と一緒っていうのは……朝と仕事お手伝いしてる時くらい？』
「うん、せやな……たまに早起きすんのも悪くないかもなぁ。」
ふにゃりと笑った鬱の顔を見て、つかの間とも言えるゆっくりした空間に思わずAも微笑んでいた。もしかすると、プレッシャーで固くなってしまっていそうな自分を見越してわざわざ早起きしてくれたのかと思うと、彼女は少しだけ胸がくすぐったい気持ちになった。
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零歌 - え、うますぎでしょ！？ 憧れます‼ 続き、待ってます、！ (2023年3月31日 6時) (
レス) @page36 id: 2cc0278ca8 (このIDを非表示/違反報告)
ヒメル(プロフ) - 面白いところで終わってしまった…！！これからも、気長に作品更新を待っているので無理のないようにしてください！いつでも待ってますから！！！ (2022年8月17日 9時) (レス) @page36 id: 803f58ab86 (このIDを非表示/違反報告)
歴(プロフ) - 小雨さん» こんな更新停滞小説にコメントありがとうございます神作品などありがたいお言葉まで！！そのうちひょっこり現れたらまた楽しんでいただければと思います。 (2020年11月22日 17時) (レス) id: 957608dc41 (このIDを非表示/違反報告)
小雨 - 歴さん。こんにちは！いやー見た瞬間に神作品だと分かりました()更新無理しないでください！出来るときにフラッと帰ってきて下さいね！それまでのんびりと待っておきます！ (2020年11月9日 10時) (レス) id: 459de324fd (このIDを非表示/違反報告)
歴(プロフ) - めっぴぃーさん» こんな更新されてるかも分からん作品にありがたいコメントありがとうございます。のろのろ具合は変わるかわかりませんが、気長に待っていただければと思います。 (2019年1月5日 2時) (レス) id: 957608dc41 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：歴 | 作成日時：2017年8月15日 21時
