ep.57 ページ9
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「きらい、二人ともほんとうにいや……」
「私も十三年間ずーっとそれを思ってたわ」
ジニーは二人を軽く睨むと、Aの顔を手で冷やし、腕を組んで降りていった。
「とんだ可愛い
「全くだ。噛み殺されないようにだけ気をつけろよ相棒」
大あくびをしたフレッドはベッドから飛び降り、ジョージの背中を強く叩くと半分上がってきた母親に挨拶をした。
*
「そろそろ機嫌治せよ子猫ちゃん」
「別に怒ってないわ」
Aが隠れ穴を取り囲む原っぱを抜けた先の大きな木の下に座って涼んでいると、しばらくしてフレッドが隣に腰を下ろした。
「君の叔母さん、どこに行ったって？」
「モンゴルよ」
「ご両親は？」
「……モンゴル」
フレッドは大袈裟に驚いてみせ、Aは小さく笑った。
「嘘よ、両親はアズカバン＿＿こんなことを言ったらあなたは喜ぶかもしれないけど、印のことも両親のこともあなたしか知らないんだから、みんなには内緒よ」
フレッドは 最高 と呟き、Aの左腕を優しく撫でた。
すぐに振り払われたが、強引に手を引いて寄りかからせる。
「＿＿＿＿騙されてたとは考えなかった？」
「騙そうと思ったらわざわざ印なんか見せないだろ」
「確かにそれはそう……でも両親が犯罪者で、左腕に例のあの人の印がある女の子なんて……疑わない方がおかしいわ」
私がグリフィンドールだから？ とAが尋ねるとフレッドはにやりと笑って、「君を愛してるから」とわざとらしくクサい台詞を吐き出した。
A は目を細め、はいはい と言ったっきりそっぽを向いてしまった。
「暑くないか？」
「あなたっていつもそう言うわね……もちろん暑いわ」
俺も暑い と言うくせにより体を密着させてくるフレッドに、Aは何も言わずに身を預けた。
「キスしていい？」
「＿＿だめ」
「本当に？」
「やだ」
口では拒否するくせに項まで伸びた襟足を触るのが愛おしくて、鼻がくっつくほどに顔を近づける。
小さい鼻だな と思って、小さい口に変に感激して、握った手があまりにか弱いので、フレッドは少し怖くなった。
手の甲を抓りながら目を固く瞑っているのが可愛くて、鼻先にキスを落としてやると、気の抜けたような笑い声が漏れだした。
次はその笑ってる口だな とフレッドが気合いを入れ直すと、後ろからまた朝の咳払いが聞こえた。
「お熱いとこ悪いけど夕食だぞ」
「どうしてお前はそう空気が読めない？」
「読んだ結果さ」
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ちとせ(プロフ) - Rrrrさん» コメントありがとうございます。はい、もちろん……(；；)ただ(私の解釈での)ハッピーエンドにはなりますのでご安心ください(？) (3月9日 9時) (
レス) id: 12c0d6c6fa (このIDを非表示/違反報告)
Rrrr(プロフ) - 最近読み始めた者なのですが救済等は無いのであれば、フレッドもちゃんと…? (3月9日 6時) (レス) id: eeb020f16b (このIDを非表示/違反報告)
赤田 - すごい、悪役令嬢的なことになっても、吹っ飛ばしてる、すごい。 (2023年3月8日 19時) (レス) @page45 id: 3d88a3b324 (このIDを非表示/違反報告)
ちとせ(プロフ) - 村民さん» ありがとうございます♡♡読み返していただけたなんて、とっても嬉しいです(><)フレッドくんのかっこよさの10000分の1も表せていない気がするのですが、これからもお付き合いいただけると嬉しいです( ¨̮ ) (2023年2月20日 12時) (レス) @page48 id: eeb6bd2221 (このIDを非表示/違反報告)
村民(プロフ) - 初めまして！好みのお話で最近フレッドにハマった事もあり1日で何度か読み返させてもらいました！続きも楽しみにしてます٩(๑❛ᴗ❛๑)۶ (2023年2月20日 5時) (レス) @page47 id: 82c45efafd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちとせ | 作成日時：2023年2月13日 13時
