にわか雨にご注意を。 ページ15
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「………………あー、もういい。やめだ。やめ。」
「ちょ。レオナさん？それってどういう……」
「バーカ。マレウスが五体満足で試合に出るなら俺たちに勝ち目があるわけねぇだろうが。
そんな試合に出たって意味ねぇよ。俺は降りる。」
……は？
何言ってんの？意味がわからない。
あれだけやる前から負けるって決めつけられるのは嫌いとか言ってたクセに。馬鹿はどっちだよ。
「お前はゴミ溜め育ちのハイエナで俺は永遠に王になれない嫌われ者の第二王子！
何をしようが、それが覆ることは絶対にねぇ！」
それを聞いてボクは確信した。
コイツは、王になんてなれるワケがない。
「ふ……ふざけんなよ！なんだよそれ！
ここまできて諦めるなんて……」
「あぁ……面倒くせぇ。黙れよ雑魚ども！」
レオナの魔力が膨張していく。
やばい、ボクたちを攻撃するつもりだ。
急いでみんなに魔法障壁を張って杖を構える。
早くレオナを止めなきゃ。
「ぐえぇっ……」
「うわああっ！！」
レオナの魔法が発動した。
何コレ、喉が乾いてきた。目も痛い。
必死で目を開いてよく見ると、レオナが触ったものが砂に変わっていっていた。
攻撃魔法じゃない……？そうか、だから魔法障壁が通じないんだ。
「これが俺のユニーク魔法……『
皮肉だろ？何より干ばつを忌み嫌うサバンナの王子が持って生まれた魔法が……
全てを干上がらせ、砂に変えちまうものだなんて！」
『レオナ、もうやめろ。』
「はぁ？今さら教師ぶりやがって、お前に何が出来るって言うんだよ。」
『出来るさ。こんなことぐらいは。』
空に向かって杖を大きく振る。
途端に大量の雨が降ってきた。よし、成功だ。
「天気を操る魔法！？」
「そんな魔法がアイツ以外に使えるなんざ……
おいテメェ！一体何をした！」
『何をしたかって……ははっ。強いて言うなら……
"王になるための努力"、ですかね？』
「レオナに隙が出来た！『
レオナの手がラギーから離れる。
今がチャンスだ。
『早く！ラギーを連れてレオナから離れて！』
「はい！！」
今のラギーは相当危ない。
雨を降らせるのが遅れたからだ……クソっ。
「今のキミは見るに堪えない。謹慎部屋に入って、少し頭を冷やすといい。」
リドルがそう言う。これで終わるとは思えないケド……。
・
ワンパンで片付けちゃいました。→←いっぱい食べる子は可愛いですよね？
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作者名：林檎と珈琲豆 | 作成日時：2022年8月8日 15時
