29話 ページ35
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今日はついに期末テストの返却日
これでようやく地獄のテスト期間が終わったかと思うと嬉しくてしょうがない。
上位50名の名前を見に行くため廊下に出ると、なんだか騒がしかった。
どうせ高得点を取っても満点じゃないと30位にも入れないんだから、期待するだけムダなのにね。
『ボクの名前は〜……と』
うーん……見えないな。
ボクは平均的に見たらそんなに身長が低い方ではないけど、NRCではなー……。
大きい子がいっぱいいるからこういう時に困る。
「グラミーちゃん5位だって〜。スゴいじゃーん。」
『わっ、フロイド！』
背伸びをしている最中にバックハグをされて、思わず体勢を崩してしまう。
そこもさりげなく支えてくれるフロイドにときめきながら受け止めると、満足気に笑った。
『なんかフロイドと会うの久しぶりだねー。』
「グラミーちゃんテスト期間オレのとこ遊びに来てくれなかったじゃん。」
『うーん…まあそうだけど……。』
フロイドと遊ぶと何をされるかわかったもんじゃない、なんて言えない。
何を言ったらいいか分かんなくなって自分の首に絡んだフロイドの腕に顔を埋めると、なんだか静かな空気になった。
…………なにも言わない。もしかして怒ったかな？
『あの、フロイ、ド……。』
彼の様子を伺いつつ後ろを振り向くと、顔を赤くして固まっていた。
怒っているかと思いきや全然別の反応だったのでボクもびっくりして言葉に詰まってしまった。
『えっ、もしかして…照れてる？』
「……別にそんなんじゃねぇしぃ。」
ぽすっとボクの髪に顔を埋めるフロイド。
ヤバい、思いもよらない反応に顔のニヤけが止まらない。
『んふっ、意外とウブなんだねぇ。』
「……うるさい。グラミーちゃんのばーか。」
まだよく考えが読めないときがあるけど、カワイイところもあるんだなぁ。
そんなカワイイ後輩にちょっとした悪戯心が働いて、フロイドの腕をぱっと離し、彼に向き直る。
「ちょっ、こっち見んなっ、…て、え。」
『ふふ、かーわい。』
いきなりボクが腕を離して驚いたのか、一瞬反応が遅れた彼の唇にキスをした。
また固まってしまった彼を見て満足したのでそろそろ戻ろうかと踵を返すと、ぱしっと腕を掴まれた。
『どーしたの？』
「グラミーちゃんベッてして。」
言われた通り舌を出すと、突然そこに痛みが走った。
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林檎と珈琲豆(プロフ) - 紅さん» ありがとうございます！不定期になるかもしれませんが、面白いと思って頂けるような話を頑張って更新していきますので、これからも読んで頂ければ嬉しいです！ (2022年8月6日 23時) (
レス) id: 28265de769 (このIDを非表示/違反報告)
紅(プロフ) - とっても面白いですこういう小説待ってました！！更新楽しみにしてます、頑張ってください！！！ (2022年8月6日 21時) (レス) id: 4c9728094c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：林檎と珈琲豆 | 作成日時：2022年8月6日 16時
