19話 ページ22
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『嫌いになるわけないよ。大好き。』
「Aさん……!!」
ボクがそう言うと突然彼はボクの手をとって跪いた。
え?え?ホントになに?
「Aさん……!やっぱり貴方はオレの女神様ッス!!」
『え?』
彼の変わりようにびっくりせざるを得ない。
ど、どゆこと?
「ずっと……ずうっと見ていました……!初めて会った時、オレのようなハイエナに優しくキスをしてくれて……抱きしめてくれて……
その時から、オレの心はもう貴方のものだったんス!!」
口が上手い子だとは思っていたけど、いつもより饒舌になる彼にまたびっくりしている。
これってイデアとやったギャルゲーに出てきたヤンデレ?ってやつ?
崇拝型とか言ってたな、確か。
こういうタイプはかなーりめんどくさいとも言ってたような……
『じゃ、じゃあボクが困ってた時にタイミング良く来てくれたのも……』
「Aさんの役に立ちたかったんス……!貴方の行動も、会話も、全部見守っていました……!
貴方が抱きしめてくれる度、救われたような気がしていたんス……!オレ、生きてて良かったって!」
ど、どうしよ……攻略法がわからない。
何度も告白されたことはあったけど、こんな風にされたことは一度もないし。
『ラギー。嬉しいけど、盗撮とか盗聴はやめてほしいなぁ…なんて』
「そ、そんな!もしかしてオレのこと嫌いになったッスか!?お願いです嫌いにならないで下さいッス!!貴方に嫌われたらオレ……オレ……」
『そうじゃなくて、ほら、聞かれたくないこともあるから。ね?』
「…………で、でも…それじゃあ……」
また下を向いてもごもごしだすラギー。
……ちょっと面倒くさくなってきちゃったな。
ラギーのネクタイをぐっと引っ張り、顔を近づける。
『ボクの言うこと、聞けるよね?』
「は、はいッスぅ…。」
蕩けたような目で愛おしげにボクを見るラギー。
あれ、怒ったつもりだったんだけどな。
まあしないと約束してくれたし、別に困るようなことをされたワケでもないので良しとしよう。
『ふふっ、いい子だねラギー。』
「Aさん……お慕いしてますぅ…。
これからは貴方の仰せのままにするッスから、嫌いにならないでください……!」
『嫌いにならないから。泣かないで』
「グスッ、やっぱり優しいッス……。」
泣きながらボクに縋る彼を抱きしめて、その場を立ち去った。
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林檎と珈琲豆(プロフ) - 紅さん» ありがとうございます!不定期になるかもしれませんが、面白いと思って頂けるような話を頑張って更新していきますので、これからも読んで頂ければ嬉しいです! (2022年8月6日 23時) (レス) id: 28265de769 (このIDを非表示/違反報告)
紅(プロフ) - とっても面白いですこういう小説待ってました!!更新楽しみにしてます、頑張ってください!!! (2022年8月6日 21時) (レス) id: 4c9728094c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:林檎と珈琲豆 | 作成日時:2022年8月6日 16時