14話 ページ17
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『はぁ……。』
結局、あの後リドルはオーバーブロットしてしまい、学園内はパニックに陥っていた。
それでも店の営業を続けるアズールの執念にはいつも驚かされる。
でも寮生の協力もあってなんとか治まったって聞いてるし。良かったぁ。
「Aさん、今日もお疲れ様でした。」
『アズール、お疲れ様〜。』
噂をすれば、とはこの事だろうか。
どこからともなく現れたアズールは、ボドゲ部で見せる表情とは違う、支配人の表情だった。
「今日もたくさんのお客様があなたの噂をしてましたよ。本当、ルックスが良くて羨ましい限りです。」
『……どしたの急に。もしかして寂しくなっちゃった？』
「べ、別にそういう訳では……」
タコのように顔を赤くするアズール。
そんなアズールの頬にちゅっとキスを落とす。
彼はびっくりしてさらに顔を赤くしていた。
『えへへっ、他のお客様にはこんな事しないよ。アズールはトクベツ。』
「な、なっ……」
『あははっ、じゃあねぇ。』
真っ赤なアズールに手を振って、鏡舎に繋がる鏡へ向かう。
「グラミーちゃん！」
『ぐえっ』
……向かおうとすると、今度はフロイドが前から突然抱きついてきて変な声が出てしまった。
こんな声ヴィルに聞かれたら怒られてただろう。
「グラミーちゃん今日ずーっと上の空だったじゃん。何考えてたの。」
プクッと頬を膨らませて怒るフロイド。
ちょっと可愛いなと思いながら僕より20センチくらい身長が高い彼を見上げる。
『うーん、ちょっとハーツラビュル寮のみんなの事が心配で。』
「は？グラミーちゃんオレ以外の男のこと考えてたの？」
『え、えっとね、』
「そっちがその気ならぁ、オレ以外見えなくしてやるよ。」
やばい、フロイドの地雷踏んじゃったよ。怒ってるよ。
焦っているとフロイドに強引にキスされる。
顎を掴まれて痛いし逃げようがない。
息が切れそうになってフロイドのお腹をトントンと叩くとようやく唇が離れた。
「グラミーちゃんはオレのことだけ考えてて。」
『心配しなくても、今はフロイドしか見えないよ。』
そう言うと彼はさっきまでの笑顔に戻ってボクを抱き締めた。ちょっと痛い。
ボクもぎゅっとし返すと、満足したのか離れてくれた。
「あはっ、じゃあねグラミーちゃん。」
『うん、ばいばーい。』
疲れた体を癒すため、ぱっぱと寮に帰ることにした。
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林檎と珈琲豆(プロフ) - 紅さん» ありがとうございます！不定期になるかもしれませんが、面白いと思って頂けるような話を頑張って更新していきますので、これからも読んで頂ければ嬉しいです！ (2022年8月6日 23時) (
レス) id: 28265de769 (このIDを非表示/違反報告)
紅(プロフ) - とっても面白いですこういう小説待ってました！！更新楽しみにしてます、頑張ってください！！！ (2022年8月6日 21時) (レス) id: 4c9728094c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：林檎と珈琲豆 | 作成日時：2022年8月6日 16時
