人類最強×天才策士

『人それぞれだから。』 ページ5

3人の気遣わしげな視線が痛い


でも、そうなんだ。私は胸を張って言えることなんて…何ひとつ持っていない。



『＿＿＿っ私は


この通り、年齢に合わない体格と顔立ちだからいままで馬鹿にされてきた』






〈Aは本当に軟弱だなぁ〉


〈お前大人になっても身体はそのまんまじゃねぇの〜！〉







『同じ思いをしている人しかわからない、傍から見たら本当に馬鹿らしいコンプレックス。そんな重大なことのように思うなんて、って思うかもだけど私はこれしか持ってない








…だから、せめて変わりたかった。中身だけでも




誰になにを言われても胸を張って生きる自分が欲しい。









…いま、エレンとアルミンの夢を聞いて、まさに理想の自分を見たと思った

身長もそうだけど、自分の信念を持って生きることに憧れた』


「「「A…」」」



『ごめん、急にこんな話』



話を終わらせようと、軽く笑った＿＿＿が、









・









・









「私は！Aがかわいいと思った」









『＿＿＿へ？』





、

ミカサの突然の言葉に次の言葉が出ない。




エレンもアルミンも焦ったようにミカサと私を見ている





み、ミカサ＿＿＿＿＿＿？





「その小さい背も、垂れている目も、かわいいと思う」


『ミカs』「それは！！Aだから！Aだからそう、思った。



その、私には確かにAの気持ちがわからない。身長のこととか。


だって悩みなんて人それぞれ、でしょう？



理由も、りっぱな理由じゃなくても、いいと思う


…だから、そんな卑屈にならなくても、いいと思う。」









・









『み、かさ…








＿＿＿ありがとう、そんなこと言ってもらえるなんて思ってもいなかった』




感謝の意味をこめて笑うと、ミカサの手が私の頭上に伸びて頭を撫でられてしまった。




「…やっぱりかわいい、A」









「ただ＿＿＿ミカサの言語力は相変わらず残念だな」



「ちょっと、エレン！雰囲気ぶち壊すようなこと言ったらダメだって！



…まあ、僕もそう思うけどさ」









…男子2人のつぶやきは、きっと空耳だ。




ミカサに頭を撫でられながら、そう思った。

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