* ページ17
·
「なぁ、連絡先、教えろよ。」
「は?」
「だから、れ・ん・ら・く・さ・き!
...スマホ、持ってねぇのか?」
「いや、持ってるけど。」
「そっか。」
そう言いながら何だかほっとしたような表情になる若武さん。
何だか分からないことだらけだ。
多分若武さんが持ってきてくれたらしい私のカバンからスマホを取り出し、連絡先を交換する。
「よっし。じゃ、また連絡するから。」
そして、当たり前のようにそう告げて、さっさと部屋を出ようとした若武さんを ちょっと待て と引き止めた。
「いや、また連絡するって何で?」
「何でって...」
何故かそこで うーん と腕を組んで唸り出す若武さん。
何かを迷ったようにチラチラと私を見つめ、また唸り出すのを繰り返したんだ。
もう、一体何なのよ。
次第にイラッとする私に、若武さんは だあっ! と突然叫び、クシャッと髪を掻き揚げた。
そして、真っ直ぐに私を見つめたの。
「お前に、話したいことと、色々聞きたいことがあるんだ。
...夢のことで。
けど、今日はどうしても時間がない。だから、また会って欲しいんだ。
頼む。」
そう言って勢い良く頭を下げられ私はあたふた。
だって、ちょっと気になっただけなのにこんな頭まで下げられるなんて思ってもいなかったんだもの。
「...分かったから!顔、上げて!!」
すると、ゆっくりと顔を上げた若武さん。
その表情を見て私はぎょっ!
何故って...してやったりとでも言いたげににんまりと笑っていたんだもの。
「今、分かったって言ったもんな。
絶対呼び出したら来いよ?
彩奈に拒否権、ないから。」
...ハメられたっ!!
にまにまと笑うその顔が憎たらしくて憎たらしくてツカツカと若武さんに近寄るとせめてもの抵抗にデコピンをお見舞いする。
「痛っ!」
小さく叫んだ若武さんにあっかんべーをするとニヤッと笑って部屋を出た。
後ろから 彩奈! と若武さんの怒ったような声が聞こえたけれど、完全無視。
声を上げて笑いながら走る。
...何かが始まる__________
そんな予感を胸に大きく息を吸った。
さあっと吹き抜けた風が何だか心地よくて太陽が眩しいくらい輝いていた。
___第2章 初めの出会い fin
·
40人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「アニメ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
小四 - 感動しちゃいました。 (2022年4月30日 8時) (レス) @page8 id: a6b1297b7c (このIDを非表示/違反報告)
ゆいゆい - ゆうひ「俺お前のこと好きだよ」 忍「 ちゃんと砂原の声聞こえたんだよかった」 翼「 俺としては必ずキメるつもりなんだ」 砂原「 俺、声聞きたいって言ったろ。聞かせてよ。ひと言でいいから。」 ゆうひ忍翼の3人は恋する図書館砂原は コンビニ仮面に乗っています (2021年4月21日 21時) (レス) id: be27a6782a (このIDを非表示/違反報告)
morosu武(プロフ) - 「俺、才能なんてないよ。いろいろできるって思われてるみたいだけど、それって全部、努カの結果だから。」ハ一ト虫の翼の言葉です!がんぱってください! (2020年10月18日 21時) (レス) id: a42120e652 (このIDを非表示/違反報告)
セダム(プロフ) - morosu武さん» 似てますか!?ありがとうございます!!いや、一応意識してアーヤちゃんに似せるように書いていたんですけど、書いているうちに あれ?なんかアーヤに似てない、かも…… と不安になっていたので、嬉しいです*何とか早く仕上げていきたいです。頑張ります! (2020年10月17日 20時) (レス) id: 188dd23746 (このIDを非表示/違反報告)
セダム(プロフ) - リリーさん» やーっと小塚くんまできました〜!いや、ほんとに進みが遅い。愕然としております。翼と忍、早く登場させたいなぁ……(遠い目)もう段々寒くなってきましたので、リリーさんも体調等お気をつけ下さい。毎回コメントありがとうございます* (2020年10月17日 20時) (レス) id: 188dd23746 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:セダム | 作成日時:2019年7月31日 23時