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「...おい、嘘、だろ...?
さすがにその冗談はキツいって...」
「...嘘なわけ、ないだろ。」
「そん、な...」
黒木の言葉に言葉を失った。
" 彩が死んだ "
その言葉はドロドロと心に絡みつく。
目の前も、思考も全てが真っ白な中、自分の心だけが真っ黒になった気がした__________
...突然、" 今すぐ
それは電話越しからでも伝わるほど焦りに満ちていて、風呂に入ろうとしていた者も、勉強を始めようとしていた者も慌てて家を飛び出した。
いつも冷静で、取り乱すことなんて見たこともないあの黒木があそこまで自分を見失っているのだ。
...嫌な予感がする。
上杉はざわざわと広がるその予感に眉を顰めながら全速力で病院に向かっていた。
昼間とは打って変わって、月を厚い雲が覆い、星一つ見えなかった________
「...っ、黒木っ!」
「...上杉。」
「どうした!?何があったんだ。」
エントランスに入るとすぐに見つけた黒木の姿。
だが、先程の勢いはどこにいったのかと思うほどどこか虚ろげな表情をした黒木にギョッとした。
あのことを話してくれた時さえもこんな表情をしなかった黒木がこんな表情をするなんて...信じられなかった。
この男をそれほどにまでしてしまう出来事とは一体何なのか。
逸る気持ちを何とか抑えようとしつつも思わずガシッと力強く肩を掴んだ。
真っ直ぐに黒木の目を見つめた。
揺れる瞳
震える唇
それらを見つめながらただじっと黒木が教えてくれるのを待った。
スっと視線を逸らし、長い睫毛を伏せながらそっと上杉の手を肩から下ろす。
そして、掠れた声で上杉に伝えた。
「...アーヤが...
.............死んだって。」
「...は?
...お前...何言って...」
目を見開き、愕然とする上杉。
と、その瞬間、上杉たちの後ろでガタンっと大きな音がした。
「若武...」
「...んだよ、それ...」
黒木の呟く声と辿り着いてちょうどその話を聞いていたらしい若武たちの声をぼんやりと聞きながら、つい数時間前まで一緒にいた彩の姿を思い出していた。
...これは、何かの間違いだ。
だって...立花が死ぬとか、ありえねぇじゃん
ついさっきまで一緒にいたんだぜ?
本当に...ありえねぇだろっ...
ただ呆然とその場に立ち尽くした___________
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小四 - 感動しちゃいました。 (2022年4月30日 8時) (レス) @page8 id: a6b1297b7c (このIDを非表示/違反報告)
ゆいゆい - ゆうひ「俺お前のこと好きだよ」 忍「 ちゃんと砂原の声聞こえたんだよかった」 翼「 俺としては必ずキメるつもりなんだ」 砂原「 俺、声聞きたいって言ったろ。聞かせてよ。ひと言でいいから。」 ゆうひ忍翼の3人は恋する図書館砂原は コンビニ仮面に乗っています (2021年4月21日 21時) (レス) id: be27a6782a (このIDを非表示/違反報告)
morosu武(プロフ) - 「俺、才能なんてないよ。いろいろできるって思われてるみたいだけど、それって全部、努カの結果だから。」ハ一ト虫の翼の言葉です!がんぱってください! (2020年10月18日 21時) (レス) id: a42120e652 (このIDを非表示/違反報告)
セダム(プロフ) - morosu武さん» 似てますか!?ありがとうございます!!いや、一応意識してアーヤちゃんに似せるように書いていたんですけど、書いているうちに あれ?なんかアーヤに似てない、かも…… と不安になっていたので、嬉しいです*何とか早く仕上げていきたいです。頑張ります! (2020年10月17日 20時) (レス) id: 188dd23746 (このIDを非表示/違反報告)
セダム(プロフ) - リリーさん» やーっと小塚くんまできました〜!いや、ほんとに進みが遅い。愕然としております。翼と忍、早く登場させたいなぁ……(遠い目)もう段々寒くなってきましたので、リリーさんも体調等お気をつけ下さい。毎回コメントありがとうございます* (2020年10月17日 20時) (レス) id: 188dd23746 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:セダム | 作成日時:2019年7月31日 23時