2滴 ページ4
『薬が、げほっ、カバンの中に………あるので取って………来てくださっっ、い』
どうにか伝わったようだ。
あー。そういえばもう遅刻真っ最中じゃん。
寝坊したのはお姉ちゃんのせいじゃん。
それとも、上司さんが落としてしまった人が溺れていたので助けましたとでも言えばいいのか?
「あの、貴女………名前は………?
こんな時にごめんなさい」
『いえッ、ゲホっ大丈夫、ですよ
川凪、Aです。』
後で上司のことも言ってやろう。
「はい、薬です。」
『………あ、りがとうございます』
「俺は村崎ななもりって言います。」
あ、名前教えてくれるんだ。
って、え!?
『ななもりって、?え、すとぷりの………?』
すとぷりとは、私が昨日、夜更かしした原因だ。
お姉ちゃんが「見て、見て!」とうるさいから昨日見たら見事にハマった。
まぁ、主に見たのはゲーム実況だったけど。
見てて和む。
な「あれ、知ってるの?」
あ、………なーくんだ。
声が、なーくんだ。
『あ、ちょっと姉が………リスナーで、』
イケメソな訳だ。
な「こっちから、莉犬くん、るぅと君、ころちゃん、さとみくん、ジェル君だよ」
『あの………1回うち来ますか?
家に兄の服があるので………』
な「………ありがとうね」
お姉ちゃん、私は初めてお兄ちゃんに感謝しています。
イケメソがうちに来るので。
.
9人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ