変わらぬ愛の先にあるもの

デート３ ページ8

楽しい時間も終わり、夕陽が沈む頃また私達は集合場所に戻ってくる。



ここからはバレないように別々で帰るのだ。



「お前はその格好で帰るのか？」



『はい。一応、隊の皆には不自然に思われないようお妙ちゃんとお洒落して出かけたと言います。口裏も合わせてもらってて』



「そうか。・・・だがその格好を一瞬でもうちの野郎に見せるのはちょっと妬けるな」



また、顔がボンと赤くなる。



確定。この人絶対たらしだ。



「あと、最後にお願いがあるんだが」



『はい？』



なんか照れてる子供みたいな表情をしている土方さん。



「な、名前・・・しいんだ」



ぼそぼそっとなにかを呟く。



『はい？声が小さすぎて聞こえません』



「こういう二人っきりの時は名前で呼んでくれっつてんだよ！」



かと思ったら大音量でめちゃくちゃ可愛いこと言いやがった。



私は、思わず天を仰ぐ



あーあ、これは



『可愛すぎんだろ・・・』



「やめろ恥ずかしい」



耐えきれなかったのか顔を両手で覆っている彼のその手をそっと外し、私は笑顔で言ってやる。



『十四郎さん。・・・大好きです』



今日はいっぱいやられたから、お返しのつもりで



そうすると彼・・・十四郎さんは、惚けたような顔で私を抱きしめ



口付けを、落とした。



『んうっ』



優しく、そっと触れるようなキス。



ファーストキスの味はイチゴ味とか言われてるけど、私の場合、ほんのりと田楽の味がした。

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