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『私だって、自分がもう一回十四郎さんと軽口叩きあえるなんて思ってませんでしたよ』



それはもう、遠い昔の話



『一生殻を被ったまま、初恋を抱えたまま、一人で死ぬもんだと思ってました』



『不思議ですよね。あんだけ嫌って、遠ざけて、それでも腹の底でぐるぐると渦巻いていた愛憎が、今を作ってるんですから』



寝室から覗く愛しい我が子の寝顔。未だに、これは幸せな夢なのでは無いかと思ってしまう。



ある日、はっと目が覚めたら、ヨツバも新も居なくて、“土方さん”が私の前を歩いているんじゃないかって



「・・・A、てめえ、まだそんなこと思ってんのかよ」



若干苛立った口調で、今度は強引に私を胸の中に閉じ込める。



「この体温が、鼓動が、夢なわけねえだろ。土方A、そんなんじゃババアになっても幸せになれねえぞ」



姉の遺言守らねえつもりか。その言葉に思わず目頭が熱くなり、慌てて彼の胸に頭を押し付けた。



私達は、もう二度と姉さんに会えない。死んだ後は、閻魔様に地獄行きの切符を持たされるだろうから。



出来れば傍にいて、ヨツバと新に会って欲しかった。でも、姉さんのいる世界にヨツバたちは居ないから。たまに、そううじうじしてしまう。



「俺達にはもう前に進む道しか残されてねぇんだ。ここから、これから、まだまだ、ゴールまでは遠いぞ」



私なら土方さんを護れます!



私の告白、何時死ぬか分からないからという言い訳を封じる為だったけど、お陰でいまは二人で生きることに前向きになれている。



まだまだここからだと言えるくらいには



『・・・そうですね。ヨツバと新の結婚式みて、孫に囲まれて、お互い真っ白な髪になるまで生きたいです』



「ああ。・・・結婚式は想像したくないが」



もう、いい雰囲気だったのに、締まらない。



でもそれが愛しく感じてしまうのだから仕方がない。



十四郎さんの頭をかき抱いて、本日何度目かのキスをした。



悪く言えば嫉妬、良く言えば変わらぬ愛



そんな私の不器用な気持ちは、これからも続いていく。





























Fin.

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りんこ(プロフ) - まっつーさん» 確認してびっくりしています。全く意識してなかったです!でもSPY ✕FAMILYは好きです。知らず知らずのうちに寄せてしまったのかも? (2023年2月5日 19時) (レス) @page41 id: 75b865d325 (このIDを非表示/違反報告)
まっつー - 最後のあとがきのこんにちはあるいはこんばんはってあったんですけどSPY×FAMILY好きなんですか? (2023年2月5日 15時) (レス) @page41 id: af3ec55cb1 (このIDを非表示/違反報告)
りんこ(プロフ) - てんどんさん» やっと画像入手することが出来ました!遅くなってすみません…イメージ画像として登場人物紹介欄に貼ってもよろしいでしょうか? (2022年2月11日 13時) (レス) id: 5b2ad52f60 (このIDを非表示/違反報告)
こまよい雪狐(プロフ) - りんこさん» もちろんいくらでも待ちますよ!頑張ってください!応援してます! (2022年1月3日 23時) (レス) id: bdceb5c82f (このIDを非表示/違反報告)
りんこ(プロフ) - こまよい雪狐さん» ありがとうございます!次回作とは少し間が空いてしまうかもしれませんが、待っていただけると感謝感激雨霰でございます (2022年1月3日 18時) (レス) id: 5b2ad52f60 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:りんこ | 作成日時:2021年8月3日 12時

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