変わらぬ愛の先にあるもの

ここからこれから５ ページ38

「ヨツバ、お前はどんな男が好きアルか？」



突如、ヨツバがお姉ちゃんと慕う神楽ちゃんから、そんな質問が飛び出した。



一見何の変哲もない、可愛い恋バナにも思えるが、それに聞き耳をたてている奴等が物騒で



総悟はヨツバに「総悟君と将来結婚したい！」と言われるのが夢だと語っていたし、十四郎さんもクールぶっているが、父親が娘に言われたい言葉ナンバーワンを今か今かと待ち受けているのが気配で伝わってくる。



これでどちらかの名前が出たら、間違いなくここは更地となるだろう。いや比喩ではなくマジで。



「んー、私ね」



ヨツバ頼む・・・貴女の発言がスナックお登勢の命運を握っているのよ



「銀さんと将来結婚したいの」


「「はぁぁぁああ！！？」」



ヨツバのまさかの発言の瞬間、総悟と十四郎さんは、ガブガブと酒を飲んでいた銀さんに掴みかかる



「てんめぇ・・・！いつの間に家の娘たぶらかしやがった！」



「旦那と言えど、これは許せやせんぜ」



「はあ？なぁに怖い顔しちゃってお二方」



「「とぼけんな！」」



いや、銀さんは決してとぼけてる訳では無いと思いますよ。ヨツバだって子供なんだし、身近な大人に惹かれるなんて自然な事でしょうに・・・あの二人はそれが自分では無いことに怒っているのでしょうけど



ヨツバは新によって安全なところに避難されていた。新はヨツバが及ぼす影響の大きさを一番理解していて、最近は細やかなサポートがとてつもなく上手くなってる。どんだけ新に迷惑かけてんのヨツバ。怖いわ



近くにいた新八君とため息をついている新に心の中で謝りながら、私は親バカ達に突っ込んでいった。

ここからこれから６→←ここからこれから４

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す