疑惑2 ページ30
銀時side
「土方さん、どうもこんにちは。Aさん来てますよ。お茶用意するのでどうぞ上がってってください」
すっかり母さんの対応をする新八に対し、土方君はいや、いいと断ってから玄関先でAを呼ぶ。
『何ですか十四郎さん。今日は私もう仕事無い・・・』
「その筈だったんだがな。総悟の野郎がやらかした。埋め合わせは今度するからちと来てくれ」
何やら問題が起こった様子。あからさまに嫌そうな顔をするAだったが、その中に微かながらも喜びが浮かんでる気が・・・どうせ埋め合わせの事でも考えてるのだろうが
Aが先に外に出たところで、土方君は何やら紙袋を差し出してきた。
「悪いな万事屋談笑中に。これはほんの詫びだ」
「いや、こっちもあんたとの惚れ気でそろそろ気が滅入りそうになってたから丁度良かったよ。ってこれパピゴ饅頭じゃねえか!中々手に入らないのに貰っちまっていいのか!?」
「あ、ああ・・・この前たまたま貰ってな」
「よっしゃー!おい新八、お茶入れろ!」
思わぬ収穫物にテンションが上がる。何か土方君が信じられないような目でこっちを見てくるけどおれ何か変なこと言った?
「つーかお宅も大変だったんだろ?聞いたぞAから」
「ん?ああ、総悟に全部話そうってなってな。万事屋にもAが色々相談に乗ってたみたいだし、その点に関しては礼を言う」
“その点に関しては”ってつけるところがこいつのいやらしいとこなんだよなぁと、片頬をピクピクさせながらもじゃあその礼に一つ質問に答えてくれやと言う。
「てめ、どこまでが計算だ」
「・・・どういう意味だ。主語を言え主語を」
主語なんて分かりきってる癖に。済ました顔でしらばっくれる野郎に思わず鉄肘を入れたくなる。
「仕事場の隠れカップルが一瞬にして公認カップルですか。ゴールインまでの障害一切合切破壊できてようござんしたね」
「ああ、“偶然”が重なってこうなったが、まあ結果良ければ全て良しというやつだな」
ほざけ。はははと一見軽く笑いながらも、俺はこの男の腹の底を垣間見た気がして冷や汗がでる。
『十四郎さん。早く降りてきてくださいよ』
「ああ、今行く。じゃあな万事屋。これからもよろしく」
そう言った土方君の笑みは、ガラに合わず小悪魔を連想させた。
とんでもねえ奴に捕まったな。A
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りんこ(プロフ) - まっつーさん» 確認してびっくりしています。全く意識してなかったです!でもSPY ✕FAMILYは好きです。知らず知らずのうちに寄せてしまったのかも? (2023年2月5日 19時) (レス) @page41 id: 75b865d325 (このIDを非表示/違反報告)
まっつー - 最後のあとがきのこんにちはあるいはこんばんはってあったんですけどSPY×FAMILY好きなんですか? (2023年2月5日 15時) (レス) @page41 id: af3ec55cb1 (このIDを非表示/違反報告)
りんこ(プロフ) - てんどんさん» やっと画像入手することが出来ました!遅くなってすみません…イメージ画像として登場人物紹介欄に貼ってもよろしいでしょうか? (2022年2月11日 13時) (レス) id: 5b2ad52f60 (このIDを非表示/違反報告)
こまよい雪狐(プロフ) - りんこさん» もちろんいくらでも待ちますよ!頑張ってください!応援してます! (2022年1月3日 23時) (レス) id: bdceb5c82f (このIDを非表示/違反報告)
りんこ(プロフ) - こまよい雪狐さん» ありがとうございます!次回作とは少し間が空いてしまうかもしれませんが、待っていただけると感謝感激雨霰でございます (2022年1月3日 18時) (レス) id: 5b2ad52f60 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りんこ | 作成日時:2021年8月3日 12時