変わらぬ愛の先にあるもの

女子力 ページ2

『・・・これは』



ジャジャジャジャーンと、バックにベートーベンが流れる勢いで、私はクローゼットの前で崩れ落ちる。



土方さんと有休を合わせ、一ヶ月後に二人で出かける。つまり初デートなるものを行うことになった。



しかし、約束をして浮かれ気分で部屋に戻り、ふと不安を感じて自分のクローゼットを開けてみると、案の定誰が見ても女のクローゼットだとは思わないだろう、簡素な服ばかりがかかっていた。



『まさか、女物の服が一着も無いなんて・・・』



いつも要らなかったから気にしたことなんて無かった。



入っているものは、隊服が二、三着に、総悟がきれなくなったお下がりが数着。男物の方が俄然手間がかからなかったので、休日はそれですごしていたのが仇となったか・・・


流石にデートで男物はヤバイだろう。



姉さんの私物はとってあるので、そこから拝借しようかと思ったが、私の方が背が高かったことを思い出して諦める。



『買おうにもそういや自分で服買ったことなんて無かったから全く分かんないしなぁ・・・』



貧乏一家だった家は、しょっちゅう着物を破いてくるようなじゃじゃ馬娘にいちいち着物を買うようなお金はなく、総悟や姉さん、もっと言えば道場の人ののお下がりをずっと来ていた為、まず何を揃えればいいのかすら分からない。



化粧もやった方がいいんだろうなぁ、やったことないよそんなん・・・



頭を悩ませた挙げ句、私は電話を手に取った

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