キミはボクの宝物 vol.1【kazunari.N】 (ページ20)

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女子会ページ20

街中が賑わう金曜日。

今日は定時に仕事を終えて、六本木に来ていた。

すれ違う人々はテンション高めの人が多くて、特に外国人の多い六本木では、週末に知らない外国人に声を掛けられることも少なくない。

そんな中、あたしはハルと待ち合わせをしているお店へと急いだ。

ハ「A！！コッチ！！」

『ひさしぶりー！ごめんね、遅れちゃって……』

ハ「大丈夫！あたしもちょっと前に来たばっかだから」

小学校から高校までずっと一緒だったハル。

高校を卒業してからはハルが大学に、あたしは美容専門に進んだから別々だった。

商業科の大学に行ったハルは卒業後に大手銀行に就職した、バリバリのキャリアウーマン。

お互い忙しくてなかなか会えないけど、時間が合えばこうやって女子会を開く。

ハ「どう？今、仕事忙しいの？」

『んー…。この前大きな仕事が終わったばっかだからね。今は落ち着いてる』

和達のCM撮影も取り敢えず無事に終了し、あとは発売を待つだけ。

今のところは大きな仕事を抱えている訳でもなく、マイペースに仕事を熟す日々。

ハ「この前さ……、職場に昇くん来たよ(笑)」

『嘘っ？！懐かしー(笑)』

ハ「“A元気？”って言ってた(笑)」

『そっか……(笑) 昇くん、元気そうだった？』

ハ「うん。今はもう結婚して、2児のパパだって」

『そーなんだっ！良いパパしてんだろーな……(笑)』

次々と想い出される、高校時代の記憶。

その中でも、昇くんの存在はあたしの中である意味トクベツだった。

ハ「久々にみんなで集まりたいねーって話してたんだよね(笑)」

『いいじゃん！(笑) 同窓会とか、全然してないもんね』

程良く回ってきたアルコールで、懐かしい気持ちに拍車が掛かる。

ハ「でもさー……、きっと周りはみんな、結婚しちゃってんだろうね(笑)」

『おひとり様はあたし達だけだったりして……(笑)』

自虐ネタで、2人で大笑いした。

ハ「ニノもさ……、元気にしてんのかな……？」

ハルが突然口にした、和の名前。

15年前のあの時以来、話題になることなんて殆どなかった。

『元気……してんじゃないの……？(笑)』

心の中を読まれないように、ハルから目線を外してグラスのビールを流し込む。

それでもやっぱりあたしの親友は、何もかも勘付いてたんだ。

ハ「A……？ずっと気になってたんだけどさ……。アノ時ニノと、何があったの……？」

あたしの目をジッと見て、問い掛けてきた。