キミはボクの宝物 vol.1【kazunari.N】 (ページ2)

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Prologue　－side N－ページ2

小さい頃からずっと隣の家に住んでたアイツ。

泣き虫で意地っ張りで。

寂しがりやのアイツは、いつもオレの袖を掴んで離さなかった。

親に怒られて大泣きした時。

飼い犬が死んだ時。

クラスのヤツらにからかわれた時。

人前で泣くことは殆どなかったけど、そういう時は決まってオレの所に来て泣いてた。

オレはそんなアイツの涙を止めたくて、抱きしめて、一生懸命背中摩ったっけ。

いっつも一緒で、何処に行くにも何をするにも傍に居て。

アイツの隣は、この先ずっとオレだと思ってた。

すげぇ好き。

誰にも渡したくない。

ずっと隣に居て欲しい。

オレの、世界で一番大切な“宝物”

そう思ってたのに、手を離したのはオレ。

“離れてかないで………”

大粒の涙を流しながらアイツが言ったあの夜。

ずっと傍に居るって決めたのに。

裏切って、傷付けて、傷付いて。

泣き虫だったアイツを散々泣かせた、あったかくて優しい、涙味のしょっぱい恋。

それが、ガキなりに真剣だったオレの初恋。