第九話 ページ10
次の日。
村の人たちの話題は晴の事ばかりだった。
今回の事件について二つの話題があった。
一つは…
「晴ちゃんが⁉なんで…」
「晴…あんなにいい子だったのに…」
…そしてもう一つは、
「逢揆大丈夫かな…すごい傷だった。」
「逢揆も辛かっただろうに…」
…
「Aは…何で無傷なの?」
「Aは2人を見殺しにしたんじゃないか?」
…
私は元々あった村の人たちとの壁を改めて感じることになる。
私はいきなりこの村に現れた。
傷だらけで死にかけているところをお婆ちゃんに拾ってもらった。
いきなり子供が現れることは不思議じゃなくても、こんな傷だらけの子供が現れることは滅多にないだろう。
そのころから私は村の人たちから怪しまれていた。
私のココロの支えは、お婆ちゃん、晴のお母さん、そして逢揆と晴だけだった。
晴のお母さんは、私が晴の家に初めて行った時から優しくしてくれた。
晴の友達ならいい子に決まってると言って。
そんな大切な友達を失った今。
私は晴を見殺しにしたのと同じだ。
私を救ってくれた友達を見殺しにした。
…自分は誰なんだろう。
簡単に友達を見殺しにすることができて、こんな最低なヤツは私だけ…
毎日自分を責める日々が続いた。
…
逢「A!元気か?遊びいこーぜ!」
あ「…」
あの日遊びに行こうなんて言わなければ…
逢「A?」
逢揆はあれから毎日遊びに誘ってくれていた。
でも、私にとってはあの日を思い出すきっかけにとしかならなかった。
婆「すまんね、逢揆…今日もまだダメかね…」
逢「…婆ちゃん。また来る…」
もう自分はどうしたらいいかわからない。
これ以上大切なひとを無くしたくない。
本当は今すぐ逢揆に会いたい。
けれど、もし晴みたいに私のせいであんなことになったら…
村の人はいつしか私を“疫病神”と呼ぶようになっていた。
その通り。
私が近くにいたら逢揆まで死んじゃうのかもしれない…
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雪華(プロフ) - くろりさ。さん» 今まで気づきませんでした(;-;)ありがとうございます!! (2015年1月8日 19時) (レス) id: b588c2d782 (このIDを非表示/違反報告)
くろりさ。(プロフ) - 二話の『風邪』→『風』じゃないんですか・・・?なんかすいません (2015年1月8日 10時) (レス) id: 8950a2327e (このIDを非表示/違反報告)
雪華(プロフ) - コメントありがとうございます(*´-`) (2014年10月18日 21時) (レス) id: b588c2d782 (このIDを非表示/違反報告)
かのん - マジで最高です♪ (2014年8月10日 21時) (レス) id: 865cd0780e (このIDを非表示/違反報告)
吉野 - 続きが気になってそわそわする (2014年7月7日 18時) (レス) id: f7762171f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雪華 | 作成日時:2013年11月29日 22時