1番近くにいたいから。 (ページ29)

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第二十八話ページ29

隊「す、すみませんでした！！」

隊員の人は勢い良くその場から去ってしまった。

あ(…なんで？)

冬獅郎も驚いている。

日「A。本当に刀を持つのは初めてか？」

あ「…はい。」

あの時私に何が起こったのだろう。

刀を持つのは初めて。

それに間違いはないはず…。

でも…

私は何かを知っている。

昔、刀を持ったことがある…？

日「…、…！…A！」

あ「…へ？」

日「大丈夫か？」

あ「え？あっはい！」

日「まあいい。続けよう。」

次は冬獅郎の木刀を木刀で防ぎ防御する。

カンッ

カンッ

…やっぱり。

この感覚初めてじゃない。

カンッ…

カンッ…

…

その時私の頭を一つの情景がよぎった。

白黒の背景の中ボロボロの服で
自分より背丈の高い刀を引きずりながら歩く
一人の少女。

あ「！」

日「A!?」

私はまたあの頭痛に襲われた。

視界が傾く。

あ(あ…倒れる……)

ザッ

私は倒れたのに、体に痛みがない。
うっすらと目を開けた。

あ「とう…しろう？」

日「A!?また頭痛か？」

あの時と違う。

倒れそうになったときに受け止めてくれる人がいる。

あ「…大丈夫です」

日「大丈夫じゃねえだろ？」

あ「いつもよりひどくないし……ふっw」

日「お前、な、何笑ってんだ？」

あ「いや…w」

日「何だ？何だって言ってんだ！」

心配してくれる人がいるのが嬉しい。
心がポカポカするなw

本当に嬉しい。

…冬獅郎だから？

……？

あ「それはない!!!」

日「は？」

あ「！！…////」

声に出てしまった…//

あ「いや！なにも…////」

日「何だよw」

あ「笑った！」

私からしたら冬獅郎の笑顔も貴重だった。

その後、休憩をいれてまた修行を始めた。

もう何も考えないようにしよう。

だって刀を持ったことがあるはずがないから。