1番近くにいたいから。 (ページ16)

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第十五話ページ16

怪「オトコノコ…ニゲタ…」

あ「へ？」

あの怪物喋るの？

怪「キミ、ノコシテ、ニゲタ…」

あ「ち、ちがう。逢揆はそんなことしない…」

怪「ホント二？マエハニゲナカッタ」

あ「あ…」

…そっか、晴の時はすぐに晴の心配をしてた。
…
…

Aと晴はちがう。

前に村の人から言われた言葉を思い出す。

あ「…」

怪「ボクキミクウ…キミオイシソウ。キミチカラツヨイ。」

あ(ちから？)

もうそんなことはどうでもいい。

死んじゃおっかな。

晴じゃなくて最初から私だったら…
逢揆も村の人も幸せだった…

ギギギギギ…

怪物の手が近づいて来る。

あ「みんなさよなら……」

…

カキーンッッ

…

誰かが怪物の手を弾いた。

あ「…誰？………!!!」

そこにいたのはお婆ちゃんだった。

あ「え、何で!?お婆ちゃん何で刀持ってるの？」

婆「何だっていいんだよ！」

ザクッッッ

お婆ちゃんは一瞬で目の前の怪物を倒した。

婆「A！あんたは私が死なせないよ！
あんたが死にたいって思っても私が死なせない。勝手に死んでもらったら困る！」

……

あ「お婆ちゃん…。ありがとう。」

婆「いつまで泣いてんだい！笑え！笑いなさい！」

私が微笑もうとした時私の笑顔はひきつった。

ザクッ

…バタ…ッ

目の前でお婆ちゃんが倒れた。

あ「お婆ちゃん!!!!!!!!」

私が駆けつけた時にはお婆ちゃんは息をしてなかった。

グォオオ…

怪「ボクハシナナイヨ？」

倒したはずの怪物がお婆ちゃんを殺した…。

あ「お婆ちゃん？ウソでしょ？…」

ひきつった顔が戻らない。

怪「ボクハシナナイ… シナナイ…シナナイ」

あ「………黙れ」

私はお婆ちゃんが使っていた刀を持って立ち上がった。

不思議とチカラが湧いて来た。

怪「!?!?」

刀を振ろうとしたその時だった。

ズキッッ

あの頭痛がまた私を襲った。

そして私はその場に倒れた。

そこで私の意識は途切れた。