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僕と君が出会った話をしよう。
僕がまだ夢ノ咲学院に入学する以前の話。
僕と君が出会ったのは病院だった。
僕が入院中、君は僕の隣のベッドにいた君のお兄さんのお見舞いに来たんだ。
「お兄ちゃーーーん!!」
君は大きな声でお兄さんを呼びながら病室に入ってきた。
騒がしいのが嫌いな僕にとって、君の第一印象は最悪だったと言えるだろうね。
「見舞いに来てくれたのか!
心配してくれるのはありがたいけど、病院では静かにな」
「ごめんなさい…」
「足…痛い??」
「いや、もう大丈夫だ。
お医者さんが手当してくれたからな」
確かお兄さんは足の骨折だったと思う。
部活をしていてその時に折れてしまったと言っていた。
「はやく、よくなるといいね」
「Aが来てくれたんだ。すぐ良くなるよ」
すぐ良くなる、か。
少し散歩でもしてこようかな。
先生からは病院内なら動いてもいいと言われていた。
ふたりの会話を聞いていると、胸の辺りが痛いような気がするから。
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作者名:chika | 作成日時:2020年3月6日 16時