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私の母は“長所をより伸ばそう”という考えの人だった
自慢ではないが頭の良かった私は、1度目の人生でもこの頃から塾へ通い始めた
2度目の人生でもそれは変わらなかった
今回は私も空手に没頭していたから塾に通う必要はなかったかもしれないが、私にはどうしても会いたい人がいた
それが“稀咲鉄太”君だった
彼は圭介や真一郎君、エマとはまた違った特別な存在だった
初めて自分から声をかけて友達になれたのは勿論、何より彼と居る空間が心地よかったのだ
人見知りでお喋りが苦手な者同士、その事をお互いに理解していたからこそ、沈黙を苦しく感じる事もなかった
もちろん話す時だって、素っ気ないが必ず返事をしてくれる
次第に慣れて沢山話してくれる様になった事が嬉しくて、私は稀咲君に何でも話す様になった
今回も稀咲君とそんな関係を築く事ができたらいいな…
そんな期待を込めて私は稀咲君が居るであろう自習室に足を進めた
…いた
机に向かって問題集を解いている姿が記憶と重なる
“神童”と言われて全国模試でも一位をとっていた彼だが、こうやってコツコツと勉強する姿を知っている人はどれぐらい居るのだろうか
口数も少なく誤解されやすいが、稀咲君は目標の為には努力を惜しまない人だ
会いたかった彼の姿を見つけて嬉しさを抑えきれない私は早速声を掛ける事にした
『はじまして!稀咲鉄太君!
私は6年生の場地Aです!
よかったら、私と友達になってくれませんか?』
稀咲君は驚いた様子で私を数秒見ると
スッと視線を伏せて
「お断りします」
と言った
『えっ⁉︎なんでっ⁉︎』
「友達が欲しいなら他を当たって下さい
…オレなんかよりも良い人は沢山いますから」
『どうしてそんな事言うの?』
「それはこっちの台詞です
どうしてオレなんですか?」
『私が友達になりたいと思ったからだよ
稀咲君“で”いいじゃなくて、稀咲君“が”いいの』
…我ながらなんて強引で自分勝手なんだろうと思う
『…ダメかな?』
私はもう一度恐る恐る尋ねた
「…いいですよ」
『ほんとうっ⁉︎よかった!
ありがとうっ‼︎』
「………」
こうしてかなり一方的に、私は稀咲君と友達になった
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梅(プロフ) - はなさん» コメントありがとうございます‼︎私自身もまだボンヤリとしか考えておらず、この先が気になっている1人です(笑)ゆっくりではありますが更新頑張ります(о´∀`о) (2022年1月4日 9時) (レス) id: f655379a06 (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - 夢主がマイキーや稀咲、イザナとこの先どうなっていくか、続きが凄く気になります!!更新楽しみにしています(*^^*) (2021年12月31日 10時) (レス) id: 0c03d7cf6f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:梅 | 作成日時:2021年11月11日 16時