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「とりあえず、イングランドに戻る前に一回行っときたいな」
『ん、分かりました。親にも確認しときます』
「ん、よろしくです」
そう話がまとまると、彼女は指輪に視線を向けた。
その表情は嬉しそうで幸せそうで。
自分が彼女をそんな表情にさせたのだと思うと、嬉しくて堪らなかった。
『…指輪、すごい』
「キラキラだね」
『こんな大きいダイヤ、初めて見ました』
「給料3ヶ月分だからね」
と答えれば、急に表情が変わる。
きっとサッカー好きの彼女のことだから、プレミアの選手の年俸がどのくらいのものなのか知っているのだろう。
『…待ってください、さすがにつけとくの怖いです』
「だめ、ずっとつけてて」
『手震える…』
「そう言いながらずっと指輪見てるじゃん」
『…だって、嬉しくて』
「ふーん、可愛いね」
思ったことを口にすれば、彼女がこちらを振り向くから唇にキスを落とす。
『…先輩ってキス魔?』
「んー、自然としちゃう」
『前はここまでじゃなかった』
「だって、ちゃんと恋人になったからもう遠慮しなくていいでしょ?」
『…そうですか』
「いちいち照れるの可愛いからやめてくれる?」
耳まで真っ赤にして照れる彼女が愛おしすぎて。
話もある程度まとまったから、もう我慢する必要はないかと思いそのままベッドに押し倒した。
『…何してるんですか』
「いい?俺の可愛いフィアンセさん」
『ふぃあんせ…』
「だってそうでしょ?」
『婚前に、こういうのはちょっと…』
なんて押し倒されても余裕がありそうな彼女をいじめてやりたくなる。
「今更かまととぶらないで」
『ひぁ』
そう言って彼女が弱い首筋にキスを落とせば、可愛らしい声を上げるからもっといじめたくなってしまう。
「かわいいね」
『ん…』
「好きだよ、大好き」
『…私も』
「愛してる」
そのままベッドに沈めば、いつもの悲しそうな顔とは違って幸せそうに抱かれる彼女がいて。
ようやく本当の意味で自分の気持ちが伝わった気がした。
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chiito(プロフ) - animestarmyu042さん» こちらの都合で申し訳ないのですが、今は別の作品を練っているのでまた気持ちがこちらの作品に向いたら書けたらなと思っております。気長に待って頂けると嬉しいです、よろしくお願いいたします…! (3月13日 17時) (レス) id: db14ec3e34 (このIDを非表示/違反報告)
chiito(プロフ) - animestarmyu042さん» 作品を読んでくださり、またそんなふうに言っていただきありがとうございます!いずれこの話の短編というか小話を書けたらと思って続編リンクを貼っておりました。なかなかいいアイディアが思い浮ばずこのままになっており申し訳ありません。 (3月13日 17時) (レス) id: db14ec3e34 (このIDを非表示/違反報告)
animestarmyu042(プロフ) - 続きが気になります。 (3月11日 21時) (レス) @page50 id: f7f1d51caf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:chiito | 作成日時:2023年4月24日 21時