閑話〜祝福と霧〜 ページ38
♡
「あ、起きた？」
私が目を覚ますと、ちょうど病室のドアを開けた人と目が合った。
昨日、ボス達と一緒に体育館にいた女の子だ。
「え、あの…」
名前がわからなくて視線を彷徨わせる私に、その人はベッド傍のイスに腰掛けた。
「あ、ごめんね、私は白石紅呂奈。
祝福の巫女っていえばわかるかな」
「あ…骸様が言ってた…」
いつか骸様が、困った時には祝福の巫女を頼れと言っていたのを思い出す。
彼女が緊張した面持ちで、でも丁寧に自己紹介をしてくれるのが嬉しかった。
「知ってると思うけど私、クローム髑髏…よろしく……好きなように呼んで」
自己紹介なんてするの、初めてだった。
おかしくないか不安だけど、
昨日の戦いで私のことを「髑髏」とか「クローム」とか
みんながバラバラの呼び方をしてたから、なんでも構わないと事前に言っておく。
「じゃあ、クロームって呼んでも？」
「うん…」
「長い付き合いになるだろうし、よろしくね」
緊張の解れた柔らかい笑顔を向けられて、私まで安心してしまった。
《祝福の巫女》と言うから、どんな人なんだろうと思っていたけど、
ボスもそうだったみたいに、この人も優しさを持っている人だ。
「そういえば、クロームはあの２人と一緒に暮らしてるの？」
あの２人、がすぐに犬と千種を指すと解ったのでこくん、と頷く。
人と話すのが慣れていなくて恥ずかしいし、コミュニケーションをとることへの不安感も強い。
面と向かって話すのが落ち着かなくて俯いてると、見えるように電話番号を書かれたメモを差し出された。
「そっか。女の子1人だといろいろと大変だろうから、なにかあったら連絡して」
「……ありがとう」
勇気を出して、彼女の名前を声に出してみる。
「く、紅呂奈…」
「！え、あ、どういたしまして…！」
赤くなった私に、つられて赤くなった紅呂奈。
貰ったメモがお守りみたいで、ぎゅっと握りしめた。
＿＿あたたかい人
♡
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理恵 - こんばんは。続編楽しみにしております。 (2019年5月1日 22時) (
レス) id: 17809f3775 (このIDを非表示/違反報告)
理恵 - こんばんは。更新お疲れ様です。雲雀さんすごくかっこいいですね。無理しないで頑張ってください。 (2019年4月26日 21時) (レス) id: 17809f3775 (このIDを非表示/違反報告)
くらら(プロフ) - 理恵さん» ありがとうございます！そう言ってもらえるとやる気が出ます！！ (2019年4月26日 17時) (レス) id: a6342bde11 (このIDを非表示/違反報告)
理恵 - こんばんは。すごく続きが気になります。更新頑張ってください。 (2019年4月25日 21時) (レス) id: 17809f3775 (このIDを非表示/違反報告)
くらら(プロフ) - 理恵さん» ありがとうございます〜！そう言ってもらえて良かったです！ (2019年4月24日 17時) (レス) id: a6342bde11 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ろこ | 作成日時：2019年4月19日 21時
