２人の約束 ページ15
♡
「私はこの通り元気ですし、むしろ雲雀さんの方が大変だったんですから、私を護ってる場合じゃありませんでしたよ」
「……」
私を強く抱きしめたまま、彼は何も言わない。
＿＿気に病んでるの、かな…
宙に浮いていた手を、おずおずと雲雀さんの背中に回す。
「雲雀さん」
私の癒しの力を使ったとはいえ、その身体は未だ傷付いている。
「その気持ちだけで、十分すぎるくらい嬉しいんです」
「…ん」
ボロボロになった彼の姿は、もう見たくない。
どうせ見るなら、屍の頂点で飄々と佇むいつもの姿がいい。
「雲雀さんの護ってあげるって、その言葉１つで、この世に怖いものなんてないって思えるんですから」
「……ばか」
「あっ、信じてないですね？！本当ですよ！」
「…ねえ紅呂奈」
「？はい」
「僕の目の届かないところには、行かないで」
どきっとした。
大怪我して、雲雀さん心まで弱ってるみたいで。
風邪のときなぜか心細くなる、あの現象と同じだろうか。
そっと雲雀さんの髪を撫でる。
「ずっとここにいます。」
＿＿貴方の腕の中に。
さらさら、さらさら。
艶やかな黒髪は私の指をすり抜けていく。
「ずっとここにいますから…目、離さないでくださいね。」
どっちのか解らないけど、鼓動が聞こえる。
穏やかな生命の音だ。
ふ、と隣から笑う声が聞こえた。
「当たり前でしょ。死んでも離さないよ。」
彼は毎回、私が望む以上の言葉をくれる。
それがたまらなく嬉しくて。
「約束ですよ。」
腕に力を込めて、ぎゅっと抱きしめ返した。
♡
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 148人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「リボーン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
理恵 - こんばんは。続編楽しみにしております。 (2019年5月1日 22時) (
レス) id: 17809f3775 (このIDを非表示/違反報告)
理恵 - こんばんは。更新お疲れ様です。雲雀さんすごくかっこいいですね。無理しないで頑張ってください。 (2019年4月26日 21時) (レス) id: 17809f3775 (このIDを非表示/違反報告)
くらら(プロフ) - 理恵さん» ありがとうございます！そう言ってもらえるとやる気が出ます！！ (2019年4月26日 17時) (レス) id: a6342bde11 (このIDを非表示/違反報告)
理恵 - こんばんは。すごく続きが気になります。更新頑張ってください。 (2019年4月25日 21時) (レス) id: 17809f3775 (このIDを非表示/違反報告)
くらら(プロフ) - 理恵さん» ありがとうございます〜！そう言ってもらえて良かったです！ (2019年4月24日 17時) (レス) id: a6342bde11 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ろこ | 作成日時：2019年4月19日 21時
