誘拐 ページ48
「…ん」
固い。
目を開けて入ってきたのはボロボロの床、破けた厚いカーテン。
どう見ても廃墟だ。
＿＿えっと、なんでこんなところにいるんだっけ
身体を起こす、が、それは出来なかった。
見れば、両手と両足は荒縄で拘束されていた。
「っ！？」
「おや、早いお目覚めですね」
頭上から掛けられた男の声に、弾かれたように振り返る。
驚いた勢いで上半身だけ起こせた。
美しい人だった。
廃墟に佇んでさえいなければ、完全に見蕩れていた。
制服を着ているので中学生ではあるのだろうが、独特の雰囲気を纏っていて、
その左右異なる瞳の色は人生を達観しているようにすら見える。
「誰、ですか」
「六道骸。以後お見知りおきを。」
浮かべた微笑みと、この余裕のある声音は、彼は私を助けに来た訳ではなさそうだ。
「貴方が、私を攫ったんですか」
「そうですね。正確には僕の仲間が、ですが。」
「私なんか攫っても、何もメリットは無いですよ」
中学生にしては高い背丈を屈めると、妖しげな美貌の彼は、座り込んでいる私と同じ位の高さに目線を合わせた。
「クフフ、それは貴女が自覚していないだけです。心配しなくても、君には利用価値がありますよ。」
青と赤のオッドアイ。
海の水面を思わせる青に、燃える焔のような赤。
♡
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くらら(プロフ) - たくあんさん» ありがとうございます！ (2019年4月27日 23時) (
レス) id: a6342bde11 (このIDを非表示/違反報告)
たくあん - 最近雲雀さん不足だったから嬉しい…(´･∀･`)更新頑張ってください(●´▽`●) (2019年4月27日 0時) (レス) id: a353fd29dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ろこ | 作成日時：2019年4月14日 21時
