俺らが紫耀を守るから38

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中島side

中「けど…」

平「お願いしますっ…やらせて…くださぃ…」

中「…んー…」



正直悩んだ。

この状態の紫耀にこれ以上無理をさせていいのだろうか。
早めに病院に連れて行ってあげないと、もっとひどくなる可能性だってあるし…

けど、、


紫耀が涙で潤んだ真剣な目で見つめてくるから、とてもダメとは言えなくて。



中「…わかった…」

平「…ありがと、、ござ…ます…」



そんなホッとした表情を見せられたら、もっとダメなんて言えないよ。

俺が支えてやるしかない。
支えるからね。



中「俺がフォローするから」

平「…はい」



少し休ませてから、なんとか紫耀を支えてスタジオに戻り、撮影が再開した。

昼飯もほとんど食えないみたいだったし、本当に大丈夫なんだろうか。



監「じゃあいくよ。このシーンからね」

中「はい」



紫耀の顔色はもはや真っ青。

メイクさんが隠してはくれたけど、耐えられるのは少しの間だけだろう。



中「紫耀、大丈夫か？」

平「…うっ、、大丈夫…です…」



やっぱりお腹が痛むみたいで、見えないところで懸命にさすってる。

さっき一応お腹にカイロを貼らせたんだけど、カバーしきれないか…



監「よーい、はいっ」



何シーンか続けて撮っていき、紫耀も今のところ耐えられてる。

よく耐えられてるよ。
やっぱり紫耀のプロ根性はすげぇな。


あと少し…



平「…ゔっ、、」

中「…なぁ、ジロちゃん……ジロちゃん？」

監「ん？平野くんどうしたー？」



本番中、ジロちゃんに話しかけるシーンで顔を見てみると、さらに真っ青な顔で口を押さえていた。



平「ﾊｧｯﾊｧｯ…ぅっ、ﾊｧｯﾊｧｯﾊｧｯ…」

中「紫耀？大丈夫かっ？」



激しく上下に揺れる背中。

必死に呼吸してる。

スタッフさんもおかしいと気づき始めたらしい。
ザワザワと声が聞こえ始めた。



中「しんどいか？」

平「ﾊｧｯﾊｧｯﾊｧｯﾊｧｯ……」

中「紫耀、気持ち悪いのか？」

平「…ゔっ、、おぇぇっ…」

中「あっ、、大丈夫。大丈夫だからな」



気持ち悪かったんだ…

そのまま地面に戻し始めてしまった。

今の俺には、震える背中をさすってあげることしかできない。



監「スタッフ！タオルとかもってこい！」

ス「はっ、はいっ！」

平「うぇぇぇ……ﾊｧﾊｧｯ…おぇぇっ…」

中「気持ち悪いな。よく頑張った。全部出していいからね」



涙を流しながら苦しそうに戻す紫耀の姿は、とても胸が痛くて俺も苦しかった。

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