【おそ松さん】違って【おそ松】

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とある日の授業中、暇をもてあます俺、松野おそ松。





英語の時間だかなんだか知らねーけど、何話してるかさっぱり分からない。





いや、だって俺、日本人だし。





「じゃー、次は…高久千佳」





「はい、えっと…I like animal.」





立ち上がりALT(外国語講師)の軽い質問に答える高久。





合唱部らしいよく通る声でおもわず体をおこして肘をつく。



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松野おそ松は高久千佳が好きだった。





初めて見たときは、顔よし、性格よしで、いいとこのお嬢さんかよ、と毒付いていたが、とある出来事をきっかけに変わった。





雨降りの日、軒下で、帰れなくなっている小学生がいた。



高久は仲良さそうな友達に手をふり、抜け出してこういった。



「おつかい行ったの？すごいね」



俺は、あまりの衝撃に驚いた。




俺も助けようとしていたところだったけれど、こういっていたはずだ。





「傘、かしてやるよ」





それなのに、こいつ、高久千佳はちがかった。





笑顔になる小学生と傘に一緒に入って、来た道を戻っていく高久。





小学生にたいしてまで、気を使わせないようにするのか。





俺はよく分からないまま帰った。





けれど、それからの学校生活、いつしか高久を目で追うようになった。









それが恋なのか、と感じたのは去年の冬。





そんな出来事から３ヶ月後のことだった。









そして、こんな俺にも神様は味方をしてくれて、見事２年で同じクラスになることができた。









それから、たまに話したりするようにもなり、うん。



ー自分で言うのも変だけど、とてもいい感じだ。









「えっと…I like cat.」





へぇ、高久って猫好きなんだ。
名前に“一”がつくどっかのだけかみたいだな。



俺はふっと息をもらして笑う。





隣の席のやつに変な目で見られたけど気にしない。





俺は猫を思い浮かべると、なぜかAの顔も浮かんだ。





…あいつも、猫みたいだよなぁ。

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